検索結果
<< 前のページ    次のページ >>
キーワード: 小林治 (41 ~ 60 件目を表示)
お話データベース
嘉右衛門山の神
昔、宮城県白石中ノ目に嘉右衛門という状持ち(じょうもち、郵便屋さん)がいました。たいそう真面目で正直者でしたので、みんなから「かえもん、かえもん」と親しまれていました。 手甲脚絆(てっこうきゃはん)姿の嘉右衛門は、遠く山形や米沢まで出かけるのでした。今日も、暗く物騒な小原山の峠道を一人で歩いて帰ってくる途中、ようやく子どもの頃に遊んでいた木までやって来ました。すると何やら「シュッシュッ」と擦るような物音が聞こえ、目の前に一匹のオオカミが現れました。 逃げようにも背中を見せるとあっという間に襲われ...
全文を見る

やろか水
昔、愛知県の木曽川沿いの古知野(こちの)という所に、低地の為しばしば洪水に見舞われる小さな村があり、雨季になると村人達は生きた心地もしなかった。 ある年も、何日も降り続く雨に木曽川の水嵩が増していき、村の男たちは女子供を避難させ、土砂降りの中懸命に堤防の補強をした。やっと雨が止み雲間に月も見えたため、男たちは束の間の休息をとりにそれぞれの家に戻ったが、十四郎(とうしろう)という男がひとり水門の守りに残っていた。 十四郎は川の近くで月見草の花びらを散らして戯れる若い娘を見つけ、危なっかしいので自分...
全文を見る

竜宮の鐘
昔、下関の南部町(なべちょう)にある専念寺には、たいそう大きなつり鐘がありました。この村の人たちは、毎朝鳴りわたる鐘の音を合図に暮らしていました。 ある年の夏、不思議なことに鐘がひとりでに鳴るようになりました。そんなある晩のこと、ひとりの若い娘がお寺の和尚さんの枕元に現れ、「あの鐘は竜宮のものです、鐘を返さなければ鐘もお寺も粉々に砕きますよ」と言い、海へ消えていきました。 翌日、和尚さんと村人たちは相談して、女の人の髪の毛で綱を編み、つり鐘を縛りつけておくことにしました。女の人の髪の毛はこの世で...
全文を見る

天狗のたたり
昔、岩国市にある愛宕神社の前の広場は、近所の子供たちの遊び場になっていました。中でも、山盛屋(やまもりや)の一人息子の善八(ぜんぱち)は、特に無邪気で元気な子供でした。 ある冬の夜、山盛屋に砂利のような小石が投げつけられるようになりました。山盛屋の両親は、近所の子供のいたずらだろうと思って最初は気にもしませんでしたが、石投げは毎晩毎晩続きました。人に恨まれるような商売はしていないし、犯人に心当たりもないので、両親も近所の人も不思議がるばかりでした。 やがてこの小石は一日に何度も飛んでくるようにな...
全文を見る

真珠の夜光
長崎の大村の浜の沖、久原(くばら)の大流れは、急で危険な海域として漁師たちから恐れられていました。 ある夏の夜、災いを呼ぶといわれる「真珠の夜光」という不思議な光が海底から現れました。十年前にこの光が現れた時、漁村は大津波に飲み込まれたので、人々たちは大津波が再びやってくるのかと驚き慌てました。 漁師の親方は、海底の真珠をえぐり取ろうと考えましたが、誰も危険な大流れに潜ろうとはしませんでした。そこへ、親方の娘トセと密かに恋仲だった里に住む若者のヒコが、名乗りをあげました。里人との付き合いを禁じて...
全文を見る

おおかみ長者
昔、ある所にものすごく貧乏な若夫婦が住んでいました。明日は正月というのに、粗末な食べ物もついには底をつき、夫婦は一人分の芋粥を譲り合っていました。 あまりの貧乏に情けなくなった男は「いっそ狼にでも食われてしまいたい」と、山の中へ入っていきました。すると、罠にはまって怪我して動けなくなっている一匹の狼に出くわしました。男は狼を罠から外してやり、血止めの為に手ぬぐいで足を縛ってあげました。 結局、男は狼に食われる事すらままならず、トボトボと山の中を歩いていると、一軒の見慣れない人家を見つけました。ふ...
全文を見る

十六人谷
若い時の弥助(やすけ)は、木こりでした。 ある時、見知らぬ女が弥助の所へ「明日、谷にある柳を切らないで下さい」と、頼みにやってきました。仲間の通夜に参列してすっかり酔っ払っていた弥助は、頭を下げる女に背を向けて、そのまま眠ってしまいました。 翌朝、予定していた通りに弥助と十五人の木こり仲間が北又谷(きたまただに)に入りました。そこには数百年もたったであろう実に見事な柳の木があり、弥助が止めるのも聞かず仲間の木こり達は大喜びで柳を切り倒しました。 その夜、小屋で弥助たちがすっかり寝入っているとこ...
全文を見る

あの鬼こわい
昔、京の三条にある薬屋が、家を建て直すにあたって随分大きい鬼瓦を据えました。この鬼瓦の顔は、大江山の鬼も顔負けする程の恐ろしさでした。 この薬屋の向かいには、美人で気の優しい嫁さんがいましたが、鬼瓦の悪夢を見るようになりました。毎晩続く悪夢が原因で、嫁さんはとうとう病気になってしまいました。そこで、旦那が鬼瓦を降ろしてもらうようにお願いしましたが、薬屋の主人は取り合いません。 この話を聞いたお医者さんが、鬼を退治してくれる鍾馗(しょうき)さんを大きな瓦で作らせて、鬼瓦の向かいに据えました。しかし...
全文を見る

石の下のちゃわん
ある夏の暑い日、旅の若者三人連れが川越のお寺で一休みしていました。 やがて、一人の若者が厠(かわや)のためにお寺の裏庭へ行きました。若者が用を足そうとすると、井戸の横の石の上に白い蛇がいて、若者を睨みつけていました。怒った若者が石をぶつけても、白い蛇はそれにもめげずに石にしがみ付いていました。 その頃、寺の縁側に座っていた和尚さんの頭に、どこからか石が飛んでぶつかりました。次々に石が飛んでくるので、和尚さんの頭は血だらけになりました。縁側にいた二人の若者たちは投石の犯人だと疑われ、すっかり困って...
全文を見る

亥の子まつり
昔、天草のある村に、金貸しの地主とその娘が住んでいました。この地主が持つ土地にはでっかい大岩があって、動かすこともできずいつも苦々しく思っていました。 ある時、「大岩を動かした者には娘を嫁にやる」と、村中に触れ回りました。しかし、地主の娘など誰も欲しがらず、一匹のイノシシだけが集まってきました。怒った地主は「娘と全財産をやる」と村中に触れ回ると、今度は大勢の力自慢の男たちが大集合してきました。 しかし、どんな怪力の大男にもこの大岩を動かせず、結局あのイノシシだけが岩を動かしてしまいました。さずが...
全文を見る

茶つぼ
昔、1人の旅のお坊さんが、夕暮れ時にある村を訪れた。 もう日も暮れかかっているので、今日はこの村で一晩の宿を借りようと一軒の家の前に来た。ところが、この村の掟では、用心のため旅人を泊めないことになっていたのだ。仕方がないので、ここの家の主人は、峠の中ほどにある化け物が出ると言われるやぶれ寺に泊まるようお坊さんに言い、何かあったら鐘を突いて知らせるように伝えた。 さて、夜のお勤めも終わりお坊さんが本堂で寝ていると、真夜中になり何やらドシン!!ドシン!!と大きな音がする。お坊さんが起きてみると、なん...
全文を見る

かねっこおり女房
昔、村里離れた山の中に、小屋掛けしている若者がいた。本当は百姓なのだが、それだけでは生活できず冬になると猟をしないといけないのだ。 山は白一色になり、若者の小屋には沢山のかねっこおり(つらら)ができ、その中でも毎年おなじ所に出来る大きなツララが特に気にいっていた。ある朝、そのツララがさらに大きく成長して入り口をふさいだ為、若者は小屋の外に出ることができなくなった。仕方なくツララを切り倒そうと斧を振り下ろすと、一瞬だが赤い血しぶきが散ったように見えた。 その夜、ものすごい吹雪の中、御高祖頭巾(おこ...
全文を見る

よいしあん谷
岩国(周防の国)の関戸村のいやずけ谷で、一人の猟師が獲物を探していた。雨も降っていたので、鳥屋(とや、小屋のこと)の中で、じっと獲物が現れるのを待っていた。 鳥屋の中からふと外を見ると、ミミズがガマガエルから食べられるところだった。ちょっとミミズが哀れだな、と思っている間に、白蛇がそのガマガエルを飲み込んでしまった。猟師は血の気が引く思いだったが、突然キジが現れ白蛇を襲った。次々と起こる出来事に驚いたが、せっかくの獲物を仕留めようとキジに鉄砲を向けた。 すると今度は、キジを狙ってヤマネコが飛び込...
全文を見る

飛ぶ木
享保8年(西暦1723年)8月8日に、宇都宮で大洪水が起こった。世にいう、五十里洪水(いかりこうずい)である。羽黒山明神(はぐろやまみょうじん)近くに住むお松ばあさんは、この大洪水をひと月も前に予言していた。 ひと月前、お松ばあさんが二荒山神社(ふたあらやまじんじゃ)の拝殿わきでウトウトしていると、何やら話し声を耳にした。それは、もうすぐこの一帯で起こる大洪水の被害を最小限にするため、神様たちが相談している声だった。神様たちは、羽黒山の銀杏の木と白沢明神(しらさわみょうじん)の大杉を使って、溢れる...
全文を見る

赤猫
昔ある所に、年老いた百姓夫婦と猟師の金佐(きんざ)が隣同士で暮らしていた。百姓の家では17年も可愛がっていた大きな赤猫がいたが、いつの間にかどこかへ行ってしまった。 ある日、金佐が鉄砲の弾を作っていると、隣の婆さんが「弾は何発作った?」と聞いてきた。 いつもと様子が違う婆さんに、金佐はいぶかしながらも正直に答えた。 その後、金佐は山にシシ捕りに出かけた。すると金佐の前に、赤い目の巨大な化け猫が現れた。身の危険を感じた金佐は、化け猫めがけて4発の弾を撃ったが、命中したにもかかわらず化け猫は倒れな...
全文を見る

千石田長者
庄川のほとり、須磨の里に徳平という若者と母親が住んでいた。 ある日、よもぎ川のほとりで、立派なマスを釣り上げた子供たちと出会った。そのマスがあまりにも美しかったので、徳平は草履を売ったお金の全額を払って、マスを買い上げた。そして、マスが生きている間に、よもぎ川に放してやった。 それから二、三日したある日の事。洗濯していた母親が川に流されてしまった所を、美しい娘が助けてくれた。その娘は、両親を亡くして身寄りがないという事だったので、そのまま徳平の嫁にした。二人は楽しい毎日を過ごしていたが、一年たっ...
全文を見る

東つぼ屋西つぼ屋
茂衛門と八右衛門という二人の六部が、国のあちこちを歩きまわっていた。途中高いえのきの木の下で、一休みしていると、茂衛門の鼻の穴から一匹の蜂が、飛び出て来た。するとその蜂は、えのきのてっぺんより高く舞い上がり、下の方を透かして見ている様子だった。 それを見ていた八右衛門は、茂衛門を起こした。目を覚ました茂衛門は、「夢の中で、金を掘り出し大金持ちになるところだった。」と言った。八右衛門は、二ヤッとして「これからは別々に旅をして、いつの日かお伊勢さんであわないか?」と言いだした。茂衛門は、泣き出しそうに...
全文を見る

海女と大あわび
昔ある漁村にひとりの若い海女がいた。その漁場には巨大なアワビがいて、そのアワビは海の守神だから決して傷つけたり、ましてや触ることも禁じられていた。もし触ったら海は嵐になると長い間恐れられてきたのだった。 そんなある嵐の夜、海女の家に男が訪ねて来た。その男は以前からその海女と恋仲にあったのだ。そして2人は一晩愛しあった。明け方近くなり、男は漁のため海へ出ていった。 女が「今度はいつ会える?」と尋ねると男は「またシケ(嵐)になったらな!」と答えた。女はその言葉が忘れられず、嵐になれば男に会え...
全文を見る

二ツ池の龍
むかし伊勢の二ツの池に雄龍と雌龍の夫婦がいた。 悠久の時が過ぎ、いつしか土地に人間が住み着く時代となる。雄龍は人間たちの焚く火や振る舞いが面白くなく、嵐を起こしたり雷を落したりと人間を立ち去らせようとする。しかし人間はたくましく乗り越え、雄龍もいつしか人間たちを認めたい気分になっていった。 そんなある日、人の夫婦が畑に出ていると一頭の大きな猪が作物を荒らしていた。夫は作物を守ろうと猪に打ちかかるが、歯牙にもかからない。 様子を見ていた雄龍が猪に言う。人間を認め邪魔をするのはよさぬかと。猪は聞か...
全文を見る

みちびき地蔵
漁を終えた母親は、獲った魚と幼い息子・浜吉の手を引いて家路を急いでいた。 途中、疲れ果てて眠りかけている浜吉を起こしていると、目前の岩の上に「みちびき地蔵」と呼ばれる地蔵が見えた。この地蔵には「死ぬ人が前日にお参りに来る」という言い伝えがある事を母親は思い出していると、ちょうどそこへ村の婆さんがふわふわ浮かび上がりながら地蔵を拝み、空へ消えていく姿が見えた。 「あのお婆さんは病気だったからなぁ・・・その後ろの若い男は事故にでも遭うのかな・・・赤ん坊を抱いた若い女?お産に失敗してしまったのかな・・...
全文を見る

<< 前のページ    次のページ >>

search(original)

現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

26 人のユーザが現在オンラインです。 (1 人のユーザが お話検索 を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)