屋久島の山姫の話です。
その外見は、「きれいなおなごで、髪は今洗ったばかりのつやのある洗い髪で、うしろへ長く垂らしている。そして十二ひとえの緋(赤い)のハカマを着て」いるということです。また、背が高く、髪は茶色、皮膚は真っ白で、腰にシダを巻きつけて裸というパターンもあるようです。これなんかは、何となく西洋人を思わせる特徴です。
しかし、共通して美しいとされる容姿とは反対に、山姫は非常に恐れられています。
山姫と出会い、先に笑われると首の血を吸われてしまうというのです。逆に山姫が怒ってくるときは安全だとか、山姫より先に笑えばよいとか、つられて笑わずににらみつけると良いなどとあります。他ににこにこ笑われていたけど、「もう二度とここには来んから、どうか許してくれ」と詫びながらひれ伏し続けて、難を逃れた話も載っていました。
あとは、三味線をひいて歌を歌うこともあるとか、木の精であるとか、旧の正月、5月、9月の山の神祭りの日に、祭りの潮水汲みに、タンゴ(木の桶)を下げて降りてくるなどというのがおもしろかったです。
http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-64.html『屋久島の民話 2(日本の民話38)』(下野敏 未来社 1965)〈山姫〉
p121「山姫」 東松山の話との共通点は山にいる(屋久島の山)、山姫はきれいな女子、山の神祭りの日には山へ行ってはいけない、山姫は恐れられている、若者が山の中で山姫に会う、家に帰った若者に災いあり(寝込んでしまう)。
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000062322