そうめん地蔵

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今からおよそ四百年ほど前のこと、栃木県の氏家(うじいえ)に小さな地蔵寺があり、気の優しい住職が一人で守っていました。ある日、この領内のお殿様(勝山城の左衛門尉、さえもん...…全文を見る

そうめん地蔵

投稿者:マルコ 投稿日時 2013/5/30 19:38
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今から1000年近く前の1062年(康平5年)に、奥州で安倍貞任(あべのさだとう)、宗任(むねとう)の兄弟が反乱をおこしました。
 それを鎮めるために、軍隊を引き連れた八幡太郎義貞(はちまんたろうよしさだ)は天台座主という、とても偉いお坊さんの宗円も伴って都を出発し、北に向かっていました。
 白沢や下ケ橋(現宇都宮市)を経て、軍は鬼怒川を渡ろうとしました。しかし、河原にはたくさんの妖怪たちが雲を巻き、雨を降らせて川を氾濫させ、軍隊の渡河を邪魔しました。
 そこで、八幡太郎義家は宗円に命じ、川の氾濫を抑える祈祷呪術をさせました。すると、河原の中に忽然と将軍地蔵が現れ、瞬く間に妖怪を退散させてしまいました。元の静かな川に戻ったので、軍は無事鬼怒川を渡って勝山の陣場にたどり着くことができました。義家は、この出来事から堂原に地蔵堂を建てて将軍地蔵を祀りました。この時祈祷した宗円は、後に宇都宮氏となって、下野中央部を治めました。

【うんちく】
 将軍地蔵は「そうめん地蔵」とも呼ばれており、「そうめん地蔵伝説」も伝わっています。
 また、地蔵のある堂原地蔵堂境内は、市指定史跡になっています。
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