昔、下野の国に小さな村があった。この村には、沢山の白鷺(しらさぎ)がいた。
ある年の事、ひどい日照りが続き、田んぼも井戸も干上がってしまった。雨乞いも不発に終わり、すっかり途方に暮れていた村人たちが、森のほうに集まっている白鷺の群れを見つけた。白鷺は水のある所に集まるというので、村人たちは森の中にある沼に行ってみた。
やっぱり森の沼も干上がっていたが、沼底が一か所だけ湿っている部分があった。きっとこの下には水があるだろうと考えた村人たちは、沼の底を掘り進めた。沼底の硬い岩を一晩かけて打ち砕くと、水が巨大な水柱となって天高く噴き出した。
村人たちは、白鷺たちのおかげで村の全滅を防げたと、沼のそばに小さな社(やしろ)を立てた。その社を「鷺宮」と呼び、いつまでも大事にした。
(紅子 2011-9-13 1:05)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 栃木県 |
DVD情報 | DVD-BOX第6集(DVD第30巻) |
現地・関連 | お話に関する現地関連情報はこちら |
場所について | 白鷺神社 |
本の情報 | 講談社テレビ名作えほん第050巻(発刊日:1981年6月) |
講談社の300より | 書籍によると「栃木県のお話」 |
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