http://www.h6.dion.ne.jp/~chusan55/kobore8/412myooganoyado.htm摩陀羅神信仰は中国に伝わり、平安時代に唐へ仏道修行に赴いた比叡山(ひえいざん)延暦寺(えんりゃくじ)第三代座主(ざす)・円仁(えんにん)の帰国の際に守り神となったことから、常行三昧堂(じょうぎょうざんまいどう)の守護神とされ、天台宗(てんだいしゅう)のお寺で祭られるようになったとのことです。
今でも神社やお寺で摩陀羅神を祭っているところが多く、有名なのは、鳥取県の大山寺、島根県の鰐淵寺(がくえんじ)と出雲大社、日光東照宮などです。そして、お祭りの時にはミョウガが供えられます。
京都の太秦(うずまさ)・広隆寺(こうりゅうじ)の牛祭(うしまつり)は、摩陀羅神の信仰行事としてよく知られています。
十月十日の夜、牛に乗った摩陀羅神が赤鬼・青鬼を従えて広隆寺の境内を練り歩くお祭りで、左右の二人がミョウガと笹を持ってお供をします。
<ことば豆辞典> その三
【座 主】 大きい寺の住職の呼称。延暦寺では天台座主(てんだいざす)と称し、天台宗一門を統括する。
【円 仁】 第三代天台座主。唐に渡って天台教学・密教などを修め、比叡山興隆の基礎を固めた。
【常行三昧堂】 天台宗で、何日ものあいだ、弥陀(みだ)の名号を唱えながら阿弥陀如来(あみだにょらい)の仏像の周りを歩いて、心に弥陀の本願を思い続ける修行を行なうお堂。
【広隆寺】 京都市右京区太秦にある真言宗の寺院。聖徳太子から授かった仏像をまつるために、603年、秦河勝(はたのかわかつ)が建立したと伝える。国宝第1号・弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)があることで知られる。