Re: みょうがの宿
投稿者:マルコ 投稿日時 2014/3/25 18:11
これでは周梨槃特さんが可哀相で、ミョウガも哀れ、食べる気がしませんね。でも、周梨槃特についてはもっと良いお話もあるのです。
須梨槃特は兄と共にお釈迦さまに弟子入りしましたが、生まれつき大変物覚えが悪く、お経の一行も覚えられません。自分のあまりの愚かさを嘆いた須梨槃特はお釈迦さまに破門を願い出ました。しかしお釈迦さまは
「自らの愚かさに気付いたのだから、お前はもう愚か者ではない」
と諭されました。そして、箒とちり取りを与えて、
「須梨槃特よ、お前はお経を覚えなくてよい。その代わりに、これで毎日修行場の掃除をしなさい。ただし、掃除のあいだ『塵を払え』と唱え続けなさい。これならなんとか覚えられるでしょう」
と教えられました。
須梨槃特はその日から毎日欠かさず掃除を続け、一心に 「塵を払え、塵を払え、・・・・・」 と唱え続けました。そしてある時、お釈迦さまから 「塵には眼に見えるものと眼に見えないものとがあるのですよ」 と教えられて、真に払い除くべきものは自分の心の中の塵だ、と気付きます。
こうして須梨槃特は翻然と悟り、知的障害を乗り越えて仏心を体得した尊者となりました。そして須梨槃特が死んだあと、墓のまわりに生えたミョウガは悟りのシンボルになりました。
また、須梨槃特の霊は、摩陀羅神(またらじん、摩多羅神とも書く)という仏道修行者を守る神となったということです。