雪姫・紅葉姫

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むかし、下野の国(しもつけのくに)に源じいという百姓がおりました。百姓といっても源じいは三度の飯より網打ちが好きで、よく川に行っては一日中網打ちをしておりました。 あ...…全文を見る

雪姫・紅葉姫

投稿者:マルコ 投稿日時 2013/5/30 19:35
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 昔、勝山のお殿様に美しい姫様がおりました。姉姫は色白なので雪姫、妹姫は赤いほっぺなので紅葉姫と呼ばれていました。あるとき、城がいよいよ落ちそうな時。お殿様たちと共に最後まで残った、二人の姫様は敵に囚われられないよう、崖上抱き合って、ごうごうと渦巻く釜ヶ淵に身をなげました。

 時が過ぎたある日、さっぱり魚の獲れない漁師が釜ヶ淵付近で網を投げこみました。引き上げようとすると、なかなか上がりません。力いっぱいたぐり寄せると、網の中には大きな白い鯉がかかっていました。

 大物を捕まえ、喜んで帰ろうかと思うと、「雪姫、雪姫」と女の子の声が聞こえました。漁師は見回しますが、辺りに人影はありません。気を取り直し、帰り始めると、また雪姫聞こえます。三度目の声に漁師も気味が悪く思ったところ、魚籠の中にいた白い鯉がぽーんと跳ね上がって、釜ヶ淵の水に飛び込みました。そして、待っていたように、白い鯉の傍らに赤い鯉が寄りそい、たちまちに深い水底に姿を消していきました。

 この話を聞いた人たちは、その鯉が勝山から身を投げた、雪姫と紅葉姫の化身違いないと語り継ぎました。
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