ゲストさま。
三土正則氏(農業技術研究所)がお書きになった「日本の土壌7・水田土壌」という論文に、この昔話のことが言及されています。
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8427585_po_13_2_7.pdf?contentNo=12&alternativeNo=「茨城県下でかつて「笠田」という地名の由来を訊ねたとき「他村から来たばかりの嫁が、知らずに一人で出かけて田に埋もれ死に、田面に笠だけ浮いていた」という言い伝えを聞いたことがある。膝の上までつかったり、田下駄をはいた農作業は、今日ではほとんど見られないが、そうした強湿田は、かつて関東以北や日本海側の諸県には広かった。」
おそらく稲刈りの時には、足を滑らせないように田下駄をはいたり、やはり田植えの時と同じように、竹や松の丸太の上に載って、農作業をしていたのだろうと推察されます。
足場の悪い湿田の中で胸までつかって、危険な農作業に従事していた江戸時代の農家の人たちに対して、改めて敬意と憐憫の情を表したくなりますね。