Re: 狩人と妻
投稿者:Perenna 投稿日時 2021/2/4 23:00
この昔話と似たような話が、角川書店の「民衆の笑い話・日本の民話11」にも収録されています。
「男と女の仲・その2 胸であずき」という題名です。
「かかがあるのに、山向こうの女にほれた男がいた。毎夜、こっそり家を出ては、明け方近くなって、家へ帰って来る。男がもどると、かかはきまって、夫の好きなうであずきを用意して待っておる。」という書き出しで始まっています。
この話では、妻はせつないやら悔しいやら悲しいやらで胸が火のように燃えるので、茶碗にあずきを入れてそれを胸に載せて、
七里松山 五里坂どころ
上の空では 通われぬ
わしが胸のうちは 焦がれて燃える
煙を出さねば 人は知らぬ
と歌って、あずきを煮ていたそうです。
巻末の参考資料には未来社の「屋久島の民話」が出ています。
おそらく清水真弓(辺見じゅん)が、下野敏見氏の著作をもとにして改作したのではないでしょうか?