この昔話と似たような話が「福島の民話・第二集」(未来社、片平幸三編)にも収録されています。
「乳のでる泉」という題で、主人公の女性の名前は「おさよ」という人です。
「大沼郡の会津高田の町に、法用寺という寺があり、そこに子安地蔵とよばれる地蔵さまがあります。そのそばに霊妙乳鉱泉とよばれる泉がわき出ています。乳のでないおかあさんが、ここの水をのむと、不思議によく出るようになるといわれています。」という書き出しで始まっています。
南会津から貧しい百姓の家に嫁にきたおさよさんに、かわいい男の子が生まれます。
しかし、乳の出が悪くなり、赤ん坊は日に日にやせ衰えていきます。
おさよさんは山の上の地蔵様に三七、ニ十一日のお参りをすることになり、毎晩暗い道をはだしでかよい続けました。
満願の二十一日の晩には、さすがに心配と疲労で、地蔵様の前にばったりと倒れて気を失ってしまいました。
すると地蔵様のお告げがあり、「このやぶのかげに白い水のわく泉がある。これを毎日くんで帰ってご飯をたき、これをわかして汁を作り、三十日間ためしてみよ」と言われます。
こうして乳色の泉の水をくんでためしたところ、三十日後には乳が出るようになり、子供も元気に成長しました。」
以下は、法用寺の子安地蔵のホームページです。
http://www.o-minwa.net/siseki_densetu/63_02aidutakada_koan/63_02aidutakada_koan.htmlヒロインの名前も同じ「おさよ」ですし、名古屋の東光寺の薬師様とはどのような関係があるのでしょうかね?