このお話は、絵本には「東北地方の昔ばなし」と書いてあるようですが、実際は熊本県のお話だったらしいです。
昭和18年に出版された「肥後民話集」という本に「屁ひり女の話」として収録されています。(コマ番号37/141)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1450606/37?tocOpened=1「女は一寸尻をうかしたかと思ふと、数ヶ月間こらへにこらへてゐた屁を一つぶうんとばかりにひつたのである。そのはげしい音といつたら百雷の一時におつるが如くであつて、部屋は忽ち大風が起つて、あらゆるものをふきとばしてしまつた。柱につかまつてゐた男もこの大難からまぬかるべくもなく、あつといふ間にふきとばされて庭の大根畑に落ち、その大根の根つこにしがみついたが、女が今度はすうつと尻をすぼめたので男はずるずると引よせられ、そのために握つてゐた大根二三本が土からぬけてしまつた。」
アニメで描写されていた「引き屁」というものがどういう現象なのか、今までよくわからなかったのですが、どうやら尻の穴をすぼめて掃除機みたいに一気に吸い込む行為だったようです。