この昔話の舞台となった「二十原堤神社」については、昭和9年に出版された「誇り」(能義郡刊行会)という郷土誌にも掲載されています。(コマ番号64/126)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1035412/64「富田城主堀尾吉晴公の二女小那姫の霊を祀るところ婦人の守護神として神徳四海に遍し。
此の神社の縁起によれば小那姫久しく病みてその癒へざるをなげき齢二十にして今の社境附近にある溜池に身を投じて歿すとあり而して姫の遺言に曰く『我が塚に誓をかくる者は腰下の病を免れしめん』と云へりと宝暦十年初めて此處に祠を建てゝ姫の霊を祀つたものである、仝社は広瀬町外富田川の上流にあり境内は風光極めてよく四時参拝者の絶ゆることなし。」
もう半月ほど前になりますが、毎年成人の日になると、振袖を着飾った二十歳の若い娘さんを町中で見かけることがあります。
そんな娘さんたちを見て、あでやかで美しいと思う反面、なかには成人前に不幸にして病気や事故で亡くなったり、小那姫のように病気で外に出歩くことも不自由な方もいるのではないかと、ふと思ったりもしました・・・
人の運命や境遇や生き方というものは、人それぞれ異なっているものです。
まして、病気や事故や災害というものは予測など不可能なものです。
成人式で美しい振袖を着ていた若い娘さんたちには、小那姫のぶんまで健康ですこやかに生きていってほしいなと、陰ながら祈りたくなりました。