荒島権現さま
鬼谷川に沿って山へ登っていくと、荒島岳の中腹辺りに荒島神社があり、そこには権現様が祀られていたのですが、ある時大水が出て神社は流され、その時権現さんの御神体も流されてしまい、流れ流れて堂本の河原にかかっていたということです。
堂本の人は、そんなあらたかな御神体とも知らず流木と思い、胴の下を切って馬を洗う桶にしていたそうです。御神体を探し尋ねていた人達は、とうとう堂本にあることが分かったときはすでに遅く、たらいになってしまっていたので、頭の部分をもらい受け佐開の神社にお祀りをしました。これが現在も佐開の神社の左側にサマ戸に入り安置されています。
堂本の部落名は、御神体の胴元から生じたとも言われています。一方、荒島神社の跡は平地で蛇の巣となり、昔、釣鐘が沈んだという「カネヤシキ」の所は名前はありますが、草木が生い茂り、神社跡の名残りは全然見られません。
語り 山内 清作 ・ 調査 関 哲樹
http://www.geocities.jp/bbqxy084/onosi_kankou_map/minwa/mukasibanasi6.html#6-15