秩父・城峯神社の「お猫さま」(埼玉県)
狛猫ではなく「お猫さま」
この置き場所が何となくしっくりこない、しかし特別扱いのような猫の石像のルーツとは? この猫、もとは城峯神社の別当寺だった長伝寺(旧吉田村石間)にいらっしゃった。長伝寺には平将門の守り本尊の十一面観音が安置されていて、その眷属である「お猫さま」を貸し出していたという(養蚕地帯なのでやはり鼠除けか)。
長伝寺の十一面観音は明治元年に光明寺(旧吉田村沢戸)の観音堂に移された。廃寺となったためなのか、明治2(1869)年には「お猫さま」も城峯神社に安置された。それが今に伝わる狛猫だということになる。どおりで、ほかの狛犬と比べて小ぶりだ。貸し出すために人が担ぎ上げて移動できる程度の重量にしたのだろう。当初から猫の石像はひとつだったから、神社にあるからといって狛猫ではない。往時のように「お猫さま」と呼ぶべきなのだ。
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