むかしむかし
あるお寺に和尚と三人の小僧がいました。
和尚は餅が大好きででしたが、大変なけちんぼで小僧に餅をやったことがありません。
いつも、小僧を早めに寝かせてから、ひとりでっくりと、火鉢の灰で餅を焼いて食べるのです。
さて、小僧たちは和尚が夜中に餅を食べていることを知っていました。しかし、呼ばれてもいないのに起きていけばしかられるに決まっています。
どうすれば、餅にありつけるか。
みんなで知恵を出し合い、そして一番年上の小僧が、うまいことを考えました。
翌日、小僧たちは和尚にお願いしました。
「どうか、きょうから名を変えてください。私は『パタパタ』と」
「私は『フーフフー』と」
「私は『ウマイウマイ』と変えていただきたいのです」
「変な名前だな。だが、おまえたちがいいならそうすればいい」
と和尚は名前を変えるのを認めてやりました。
さて、その夜。
いつものように小僧たちを寝かせ、和尚は餅を焼き始めました。
焼きあがったころ、まずパタパタと餅についた灰を払い落としました。
すると
「は~い!」
とパタパタが起きてきました。
「どうした? こんな夜中に」
「いま、パタパタとお呼びになられました。だから、起きてきたのです」
和尚はやられた、と思いましたがこうなってはしかたありません。餅をわけてやることにしました。
和尚は、焼きあがった餅をフーフーと吹きました。すると、
「は~い!」
とフーフーが起きてきました。和尚はこれにも餅をやりました。
和尚は餅を食べ
「ウマイウマイ」と言いました。
すると……。
こうして、和尚は餅をほとんど小僧たちにくわれてしまった、ということです。
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http://blogs.yahoo.co.jp/therinmeis1979/17067332.html和尚と小僧 その三 小僧名を変える
餅ではなく、そばや甘酒の場合もあります。
いずれにしろ、こんな変な名前に変えてでも食べ物に執着するほど当時は貧しかったんですね。