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No.0062
さだろくとしろ
さだ六とシロ
高ヒット
放送回:0037-A  放送日:1976年06月19日(昭和51年06月19日)
演出:亜細亜堂  文芸:沖島勲  美術:西村邦子  作画:亜細亜堂
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あらすじ

秋田県の山奥の鹿角(かづの)の領に、さだ六という鉄砲打ちの名手がいた。

さだ六は、子牛ほどもある真っ白なシロという秋田犬を飼っていて、とても優秀な猟犬だった。さだ六は、猟の名人だったため、他国の領地でも自由に猟をすることを許された将軍さまの証文を持っていた。

冬のある日、シロと一緒に猟に出かけたさだ六は、珍しい青猪(あおいのしし)を見つけた。どんどん追いかけているうちに、隣の三戸領(さんのへりょう)に入り込み、とうとう青猪を巣穴まで追い詰めた。

青猪の巣穴には、傷ついた母イノシシのと小さな子供のイノシシがいた。さだ六は、少々ためらったが「猟師の定めじゃ、許せ」と言い、引き金を引いた。

その晩は、ものすごい吹雪だったため、山の洞穴で夜を明かした。翌日、親子の青猪をソリにのせ、自分の領地に向けて歩いていると、三戸領の役人に呼び止められた。

さだ六は、天下御免の証文を見せようとしたが、家に忘れてきてしまった。証文がなければ、明日、処刑される。主人の危機を察したシロは、証文を取りに家に駆け戻るが、シロが戻ってみると既にさだ六は処刑された後だった。

シロはさだ六の死体をひきづって、いくつもの峠を越えて自分の領地へ向かった。しかし、力尽きたシロは、自分の領地に入った所で悲しい遠吠えを残し、そのまま石になった。今でも、この峠の事を「犬吠峠」という。

(投稿者: ゲスト 投稿日時 2012-6-6 12:54 )


参考URL(1)
http://akitanosake.com/his/
ナレーション市原悦子
出典(表記なし)
DVD情報DVD-BOX第2集(DVD第6巻)
VHS情報VHS-BOX第2集(VHS第15巻)
場所について老犬神社(秋田犬シロをまつる)
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地図:老犬神社(秋田犬シロをまつる)
追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第5巻-第024話(発刊日:1976年8月10日)/童音社BOX絵本_第77巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/二見書房まんが日本昔ばなし第6巻-第22話(発刊日:2006年1月24日)/講談社テレビ名作えほん第017巻(発刊日:1977年12月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説によると「秋田地方の昔ばなし」
童音社の絵本より絵本巻頭の解説(童音社編集部)によると「秋田地方の昔ばなし」
講談社の300より書籍によると「秋田県のお話」
このお話の評価7.5588 7.56 (投票数 34) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/6/6 23:42 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
10件表示 (全16件)
松岡尚  投稿日時 2021/5/24 9:35
さだ六とシロってのはな、芝山努さんの最初のキャラクターデザイン、絵コンテ、原画である。
Perenna  投稿日時 2021/5/19 23:50
この昔話は「日本の伝説14・秋田の伝説」(角川書店)でも紹介さていますが、さだ六が撃った獲物は「猪」となっています。
「ある日、佐太六はシロを連れて狩りに出たが、猪を見つけて撃ったが手負いになったまま逃げるので、その後を追って三戸城近くまで行き、ふたたび猪を見つけて撃ったとたんに姿を消してしまった。」と書かれています。
この文章を書いたのは野添憲治氏という方です。
地元でほんとうに「猪」という伝承があるのか、それとも、瀬川拓男と松谷みよ子夫妻の著した「秋田の伝説」や「日本の民話」などを参考にして文章を書かれたのでしょうか?
獲物はイノシシなのかアオシシ(カモシカ)なのか?
いったいどちらなのでしょうかね?
Perenna  投稿日時 2021/3/29 1:24
彦星さま。
いいところにお気づきになられましたね(笑)
たしかに、アオシシを青いイノシシだと勘違いしているように思います。
「秋田県立博物館研究報告」に掲載された木崎和広氏の論文「鹿角マタギの伝承と系譜」によると、マタギの狩猟していた獲物について以下のように書かれています。
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11454907_po_aktpmrep04_016-024.pdf?contentNo=1&alternativeNo=

「獲物はアオシシ(カモシカ、ただし天然記念物指定により禁猟となった)、クマ、オオカミ、サル、ウサギ、バンドリ(ムササビ)、山ドリなどがあげられる。」

やはり江戸時代には、イノシシは秋田・青森地方には棲息していなかったみたいですね。
再話者というと「秋田の民話」を著した、瀬川拓男と松谷みよ子夫妻のことでしょうか?
今度図書館に行ったときに、定六の狙った獲物がなんと書かれているのか?
調べてみたいと思います(笑)
彦星  投稿日時 2021/3/28 19:38
 1970年代(昭和55年代前後)の3人の子育て中は、夕方決まって『まんが昔ばなし』を親子5人で共に見ました。その中ので、特に面白く感動的に見ていた作品は、その後文庫本型の絵本として出版されたときには買い求め、繰り返し3人の我が子が読み回したこともあり、角はすり減り丸くなっていました。そうした作品群の中で、取り分けよく読み返していたのが、『さだ六とシロ』でした。
 ここ数年、地元の小学校で毎月定期的に〈読み聞かせ〉をする機会を持ち、『さだ六とシロ』を取り上げました。事前練習と作品研究をする中で、ハット気づかせられたことがありました。
 さだ六が、シロをつれて大雪の中を南部領の鹿角の里から三戸領の山中にへ分け入り、〈アオイノシシ〉を撃ち追撃し、洞(ほこら)で手負いの親アオイノシシと2匹の子どもを見つけ撃ち取る、一連の場面です。
  この『さだ六とシロ』は、秋田県の鹿角・大館地域の昔話が原話であることを考えると、〈アオイノシシ=青猪〉というのは誤りで、《アオジシ=青鹿》=《カモシカ》のことなければなりません。
 生態学的に見て江戸時代の秋田・青森地方に「猪」が棲息していた記録はなく、現代になって、しかも2010年以降の、球温暖化による少雪化現象になって初めて秋田県南部に猪の進出が見られるようになったに過ぎません。
 明らかに再話者の読み違いによるもので、『にほん昔話ばなし』と銘打つものであるならば、書き換えが必須と考えますが、いかがであろうか?



華煌  投稿日時 2019/12/21 20:03
証文不携帯で即打ち首は厳しすぎる、信じて貰えないさだ六が悲しすぎる。重い悲痛感が消えないお話でしたが、
にんにんさんの 投稿日時 2018/1/23 21:49 コメントに、なるほどと納得できました。見られてはいけない何かがあったのでしょうね。
また、わぎゃーさんの 投稿日時 2014/12/28 10:09 後日譚を読んで、安心できました。さだ六とシロが安らかに眠れていますように。
またこのお話を見る勇気が湧きました。ありがとうございます。

歳の順  投稿日時 2018/4/15 14:23
芝山努さんと小林治さんのアニメーションが素晴らしいと思います。後代官の隈取がなんか怖い。
秋人  投稿日時 2018/2/10 22:50
地元では知らない者のいない話
にんにん  投稿日時 2018/1/23 21:49
私も将軍直々の大事な証文をそう簡単に忘れるものか、もしそうだとしても有無をいわさずの早急な打ち首は厳罰すぎると思います。
さだ六は、もしかして見てはいけないものを見てしまったのではないでしょうか。だから役人は、本人には証文携帯忘れを全面に押し出し速やかに口封じを行った。通常は、後日確認で大丈夫だったのかもしれませんね。

ここのコメントで、後日談とシロさんお鎮めの神社が在るのを知ることができ、このお話に対する胸のつかえが少しとれました。機会があればお詣りしにゆきたいです。
ゲスト  投稿日時 2017/11/6 16:33
悲しい…
ゲスト  投稿日時 2017/11/6 16:09
小さい頃、さだ六のために走るシロの姿を祈るような気持ちで見ていました。
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