No.1059
おんだのはつれん
恩田の初連
高ヒット
放送回:0668-B  放送日:1988年09月24日(昭和63年09月24日)
演出:白梅進  文芸:沖島勲  美術:西村邦子  作画:白梅進
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あらすじ

昔、愛知県の刈谷市恩田町は広い原野で、ところどころに小さな林がありました。

その中でも一番大きな竹林には、初連という立派な白狐が住んでいて、この辺りのリーダーでした。初連には大変な神通力(じんつうりき)があって、豊川稲荷の平八狐(へいはちぎつね)にも勝るとも劣らぬ強さでした。こんな初連でも、自分の子供の前では普通の優しい母親でした。

ある時、狩りに訪れた刈谷のお殿様一行が、竹林の中にある松雲院に立ち寄って休んでいました。お伴の家来たちも、竹林の中で自由な時間を楽しんでいましたが、家来の一人が初連の巣穴を見つけました。巣穴の中には、一人で留守番をしていた初連の子供がいました。

家来たちは、近々行われるお殿様と大名の姫君さまとの婚礼の時に、姫へプレゼントしようと考え、子狐を捕まえて城へ帰っていきました。巣穴に帰って来た初連は、我が子が城へ連れ去られた事を知り怒り狂いました。

初連は、仲間の狐たちを大勢集めて、城へやってくる花嫁行列に化け、殿様のいる城へ乗り込みました。まんまと殿様をあざむいた初連は、子狐を連れて恩田の森に帰っていきました。

これを知った殿様は、怒るどころか初連の子を思う親心に強く感心し、あれほど好きだった狩りもぷっつりと止めてしまいました。

(紅子 2012-7-30 3:49)


参考URL(1)
http://www.city.kariya.lg.jp/history/haturen2.html
参考URL(2)
http://www.nucoop.jp/me-dia/0707/images/0707-03.jpg
ナレーション常田富士男
出典愛知県
場所について松雲院(初蓮が住んでいた所)
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地図:松雲院(初蓮が住んでいた所)
追加情報
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※掲載情報は 2012/7/30 3:49 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
10件表示 (全10件)
Perenna  投稿日時 2021/8/7 3:24
この昔話は、「ふるさとの民話1・愛知県の民話」(偕成社)にも紹介されています。
初連ギツネがなぜ嫁入り行列に化けて、風呂で三浦侯に嫁ぐ予定の奥州のある大名のお姫さまに扮して、風呂でバチャバチャ、ザワザワ、ショワショワしたのか?という理由は、次のように書かれています。
「あるとき、幽石おしょうは、だいじにしとった文福茶がまを、三浦侯に献上した。そこで、三浦侯が、たびたび恩田をたずねられるようになったが、そのたびにけらいたちが、初連のすむキツネあなをのぞいては、子ギツネにいたずらしたんやそうな。それで初連は、なにかあったら、三浦侯にそのうらみをはらしたいとおもうとったんやろうと。」
そんな初連ギツネも、根っからの悪いキツネではなかったので、刈谷城主の三浦侯の国替え以後は、箱根に住みついて、「三浦侯の行列がとおるときには、金銀にそめわけたつなを道すじにはって、行列のぶじをいのった」とも書かれています。
偕成社の本は、1978年7月が初版です。
このアニメは、「あいちのむかしばなし1」(1976年初版)か、偕成社の本をもとにしているような気がしたりしますね。
Perenna  投稿日時 2021/6/19 0:33
カケスさん。
アニメのストーリーは絵柄を見ていてもファンタジックで、たしかにテレビで視聴している子供向けに改変されたような気がしないでもないですね(笑)
捕まえた子狐を嫁入りする姫君にプレゼントしようという発想も、なんとなく現代的ですし、ディズニーか手塚アニメなんかによくありそうな話だと思います。
愛知県小中学校長会編「あいちのむかしばなし1」も、機会があったら閲覧してみたいですね!
今、図書館からいろいろな昔話・民話・伝説集を借りてきて読んでいますので、このアニメと似たようなストーリーの話を見つけたら、またこちらの掲示板に投稿してみたいと思っております(笑)
カケス  投稿日時 2021/6/18 23:35
Perennaさんがおっしゃる通り、もともと愛知県に伝わるお話はアニメとは少し異なります。殿様の家来は子ぎつねを連れ出さずからかっていただけであり、それに腹を立てた初蓮が嫁入り行列に化けて殿様をだましたというものです。子ぎつねは初蓮の巣で母の帰りを待っていました。アニメのストーリーは、なぜ初蓮が嫁入り行列に化けてまで城に潜入し殿様を化かさねばならなかったのか、より視聴者からの共感を得るために少し改変されたのではないかと思われます。
しかし地元ではこの話には続きがあり、刈谷の殿様は狐に騙されたことを幕府に知られて国替えとなり、禄高も半分にされています。それを知った初蓮は「さすがにやりすぎたか」と反省し、故郷を離れて箱根に住み着きます。そして明治時代になるまでこのお殿様が江戸に上がるときの警備にあたっていたとのことです。
こちらの出典は、愛知県小中学校長会編「あいちのむかしばなし1 おいせのかっぱ(1976年初版)」に記録されています。愛知県の子供たちにのみ販売された書籍のため、一般には出回っていないことが残念です。
Perenna  投稿日時 2021/4/4 23:08
この昔話は「日本の伝説7・愛知の伝説」(角川書店)にも記載されています。
「刈谷にはまた、恩田の初連という大物狐の話がある。恩田町にある松雲院境内の洞穴に、初連は住んでいた。たいへんな通力の持ち主であった。当時の刈谷城主三浦侯と、寺の住職幽谷和尚は、よくゆききをする間柄だった。三浦侯が寺へ来るたび、供の者がご主君を待つまの退屈しのぎに、初連の穴をのぞいては、子狐をからかったり、いじめたりした。」と書かれています。
話の内容はアニメとは少し違っています。
ひょっとしたらアニメの話は、地元の方からの投稿なのか、別の出典があるのかもしれませんね。
マニア  投稿日時 2020/3/15 16:50
この話は絵がまんまディズニー。
ゲスト  投稿日時 2019/4/25 12:28
いい話だった。お殿様の優しさも素敵でした。
ゲスト  投稿日時 2016/5/12 15:32
動物の母親の愛情は感動的 今の若い馬鹿母親は平気で我が子を虐待する、頭可笑しいのか?
ゲスト  投稿日時 2016/5/10 21:13
いい話ですね。素直に名作だと思います。
のんちゃん  投稿日時 2015/8/7 10:44
刈谷市の北部在住の市民です。
今朝、主人の出勤に合わせて見送りついでに目の前の県道に出ると、何か動物が車に轢かれた様でセンターライン上に横たわっていました。
「また、猫か狸だろう?」
それにしても、猫にしては大きいし、顔も細長いし尻尾が違う。
野良犬なんてもう殆どいないし、なんだろう?もしや?ホンドギツネではないか?!
と思い、市役所に連絡しました。
環境課に連絡し動物の処理をしてもらいました。
真相は専門家では無いので市の担当者の連絡待ちですが、あの容姿ホンドギツネなら恩田の初連の子孫がまだ居たのではないか?
と気になります。
北部のこの辺り、お殿様の狩場だったとの話を聞きますし、近くの医院のお庭には狩の休憩所の東屋の跡地だったと聞きます。
今では、近くにハイウェイオアシスもでき、開発で森も林も消えつつあるのですが、ハイウェイオアシスの工事中に狸が森を追われ、家前の県道で車に轢かれていて、この時にも役所に連絡をしましたが、猫だと思ってよく見ると狸でした。

今では、すっかり狸や狐は絶えてしまったと思っておりましたが、かわいそうですが亡くなったキツネが本物ならずっと、どこかの林や森の中で子孫を繋げてきたのでしょうね。
新美南吉の「ごんぎつね」で有名な知多半島にも、絶えた思われていたキツネが見つかり、今では子ギツネを連れた姿が目撃されています。
いつか、生きている初連の子孫に出逢える日が来ないかな。
と願いながらここにコメントさせていただきました。




マルコ  投稿日時 2013/7/6 17:33
松雲院の境内には初連の祠があって、正しくは恩田稲荷尊天というんだそうです。
初連はこのお寺の裏に巣を作って住んでいたそうで、数十年前までは巣穴がのこっていたそうです・・・。時代の流れと共に消えて行っちゃうんですね・・・。

初連というのはこのお寺の和尚さんが親子のきつねにつけた名前なんだそうで、マルコが思うに、「白い蓮華の花」から名前を付けたんじゃないでしょうか?

ちなみに、「刈谷の殿様から子ぎつねを救い出せ!!」計画に参加したきつねたちにも名前があり、「高須の耳切れきつね」「萩田のお梅きつね」「小垣江の尾切きつね」という近隣では有名な化け狐たちや、その他大勢の狐たちがこの計画に参加したようですよ!!


「無くなっちまった昔には、赤鬼青鬼おったげな。埋められちまったあの沼にゃ、緑の河童がおったげな。はるか向こうの山並みにゃ、黒いおおかみ出たものじゃ。隣の婆さの原っぱにゃ、白い女狐すんじょって、夜には人が化かされた。遠い昔の話じゃて・・・。まんが日本昔ばなし。毎週土曜夜七時です・・・。」

このCMの言葉を思い出してしまうマルコです・・・。

付記:名鉄名古屋本線の一ツ木駅より、徒歩15分で行くことが出来ます。
問合せ:刈谷市役所 TEL 0566(23)1111
    松雲院 刈谷市恩田町3-30
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