Re: 綿帽子をかぶったお地蔵さん 岡山のお正月の昔ばなし

綿帽子をかぶったお地蔵さん についてのコメント&レビュー投稿
昔々、ある所にとても貧乏なお爺さんとお婆さんが住んでおりました。明日はお正月だというのに、2人の家には1粒のお米もなく、お餅をつくことも出来ません。何か売れるものは家の中...…全文を見る

Re: 綿帽子をかぶったお地蔵さん 岡山のお正月の昔ばなし

投稿者:ゲスト 投稿日時 2015/11/2 17:02
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お地蔵さんは出てきませんが、面白い岡山のお正月の爺婆の昔ばなしです。

『小便占い』しょうべんうらない ― 岡山県 ― 語り 井上 瑤 再話 六渡 邦昭
なんと昔があったそうな。あるところに爺さんと婆さんがおって、その日の米にも困るほどの貧乏暮らしじゃったそうな。正月がきたというのに餅(もち)一臼(ひとうす)もよう搗(つ)けず、魚の一切れもよう買わなんだ。
「婆さんや、今日は正月じゃというのに、雑煮を祝うことが出来ん。よそではうまい雑煮を祝うとるじゃろが、こらえてくれぇのう。それでも、ぬくぬくと寝とれるだけええ。うちは、今年は寝正月じゃ、ええ寝正月としょうぞい」そう言うて、爺さんと婆さんはこたつの中で寝とったそうな。しばらくして婆さんが小便しに立った。狭い家じゃから、爺さんの寝とる枕元まで小便の音が聞こえてくる。
「チャウリ チャウリ チャウリ チャウリ」と鳴って、最後に、「ビッチュ-」と屁をこいたそうな。爺さん、それ聞いとって、はたと手を打った。
「こりゃあ、ええ年になるぞ。正月さまの知らせじゃ。備中へ茶売りに行けば儲かるぞ」爺さんは金を借りるだけ借りて茶を仕入れ、備中へ売りに行った。すると売れるは売れるは、茶が飛ぶように売れて、たいそう儲かったそうな。
ところが隣りの婆さんがこの話を聞いて、
「爺さん、爺さん、耳よりな話を聞いて来たで。隣りの爺さんな、婆さんの正月の小便の音で占(うらの)うて、そいで茶売りに行ってぼっこう儲けたそうな」
「そんなら、今度の正月にはうちでも占うてみるか」次の正月に隣りの爺さんは婆さんをせかせて小便しに行かせた。
「そんなら行きますで、しっかり聞いとくんじゃぞい」
「わかった、わかった、しっかり聞いとくで、早よせい」
やがて、「チュ- チュ- チュ- チュ-」と音がした。爺さんが、何を売りに行けっちゅうとるのやろと思案していると、婆さんな、力を入れすぎて「ブ―」とやった。隣りの欲張り爺さんな、その年、中風になって寝こんでしまったそうな。
だから、日頃から便所はきれいにするもんぞ。昔から便所には食べ物を司どる便所神様がおるっちゅうからな。便所に、ご飯をお供(そな)えする家もたくさんあるくらいじゃ。むかしこっぽり杵(きね)のおれ
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