石仏294八瓶山(茨城)2010年12月27日 | 登山
八瓶山(やつがめさん) 八瓶供養塔(やつがめくようとう) 【データ】八瓶山 244メートル▼25000地図 中飯▼最寄駅 JR水戸線・笠間駅▼登山口 茨城県城里町の大沢集落▼石仏 八瓶山山頂
【案内】大沢集落の手前の狭い道端に「八瓶山登山口」の標識が立つ。近くに駐車スペースはない。山裾の無住の一軒家の左から尾根に取りつくのだが、生憎雑木を伐採したあとで道は消えていた。伐採地はすぐ終わり、踏み跡程度の急な道が山頂まで一直線に続く。陶製の祠がある先が山頂。祠には「寛文九年(1669)」、今から340年前に笠間市にあった「市原村」の「江幡」という人が造ったとの銘がある。狭い山頂には八つの瓶が円形に埋められている。糠漬けや梅干しなどを漬ける蓋のある茶色の瓶2944 2945 だ。蓋をあけるとそれぞれに水が溜まっていた。山麓に残る伝承では、雨乞い信仰の瓶だとか。その一角に、頭に不動明王の種字・カーンがある「奉再興八瓶供養塔」がある。「文政二己卯年(1819)」の再建であるから、もっと古い八瓶供養塔があったことを示している。建てたのは赤坂・小勝・塩子などの八瓶山山麓の集落と、少し離れた真幡・大網、そして山二つ越えた石寺集落の人達。高さ約1メートルもある供養塔は、小さな山からは想像できない大きなものだった。八瓶山の雨乞い信仰はそうとう広い範囲の人達に期待され、願いを込めて建てられた供養だったに違いない。
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