弘法大師伝説に基づく類似話
投稿者:もみじ 投稿日時 2012/8/29 23:14
民話の分類を元に、
「あとかくしの雪」
「たいしこ団子」
「藁の元結」
「つきぬ銭差し」
の4点を検証しましたが、残念ながら「藁の元結」に関する記述が本には載っていませんでした(・ω・;)
なので本を参照にしつつ個人的な見解で行くと、
「あとかくしの雪」と「たいしこ団子」は
二つとも「盗んでまで用意してあげた」ということと「旅人はお婆さんが盗みを働いた事実に対して言及しない」です。
さらに「大師講」に欠かせない「大根や団子、あずき粥」という要素が入るので
<歴史上の人物に関する伝説>(弘法大師)と、<年中行事に関わる伝説>(大師講)とが組み合わさっています。
「藁の元結」は、ヒエのお粥は出てきますが、自前で用意したものですし
どちらかといえばお坊さんが、死のうとしている正直者のお婆さんを諭す面が大きいと思うので
<歴史上の人物に関する伝説>の弘法大師伝説の一つとだけになるのではないかと思います(・ω・)
弘法大師伝説の他には、
弘法の食わず芋 → 欲張りな人が「これは食べられない芋だからあげない」と言った結果、本当に食べられなくなった話
弘法井戸・弘法清水 → 村に立ち寄って水を求めた時に親切な村人が遠くまで水を汲みに行ってくれたお礼をした話
などがあげられます。
どれもみすぼらしい旅のお坊さんに親切にしてあげた結果、良い結末を迎えたり、
逆に不親切にした結果、罰があたった話などの形式になっており、
それらは弘法大師の伝説の一つと見て良いかもしれません。
「藁の元結」の「お金がなくならない巾着袋」は
弘法大師に親切にした結果、お礼をもらったということになるかと思います。