いたずら好きの和尚さんが、藪の中で狐が化け方の練習をしているのを見た。
和尚さんは自分も狐で、化けるのにこの頭巾を使っているといって、狐の化け道具の手ぬぐいと、ただの頭巾を交換することに成功した。自分の寺に戻ると、えらいお坊様が小僧さんと一緒にやってきていた。そこで和尚さんは、えらいお坊様をからかってやろうと思った。
お坊様に、二つの部屋の好きな方をお使いくださいという。一つ目の部屋には美しいおなごがいて、二つ目の部屋には仏像がまつられていた。お坊様は小僧の手前もあるので仏像の間に入り、お経を唱えていたが、やがて小僧さんが居眠りを始めると、隣のおなごの部屋に行き、お酒をごちそうになった。
しかしそのおなごは和尚さんが狐の手ぬぐいを使って化けていたもので、突然不動明王に変身して「こらあ!坊主が酒のんだな!!」と怒りだしたので、お坊様は驚いて逃げていってしまった。
その頃、あの狐はと言えば、騙されたとも知らず、和尚さんの頭巾で娘に変身したつもりになって、そのままの姿で町を歩いていた。人が狐を化かすというお話。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 14:35 )
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | (表記なし) |
VHS情報 | VHS-BOX第4集(VHS第31巻) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第9巻-第042話(発刊日:1976年11月10日)/童音社BOX絵本_第70巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第047巻(発刊日:1980年かも)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第36巻(絵本発刊日:1985年08月15日)/講談社テレビ名作えほん第009巻(発刊日:1977年9月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説によると「東北地方の昔ばなし」 |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(童音社編集部)には、地名の明記はない |
講談社のデラックス版絵本より | 人をばかすのが得意なはずのきつねをだまして、化け道具の“手拭い”をとりあげてしまうとは、なんともいたずら好きな和尚さんでしょう。和尚さんはそれを使って、位の高いお坊さんの心をためし、最後には馬から落としてしまいます。一見、悟りきった顔をしていながら、心の中にはたくさんの欲望をもっている“えらいお坊さん”に加えられたみごとな一撃…。みんながこの場面に拍手喝采している姿が見えるようです。一方のきつねは、美人にばけたつもりで町中をしゃなりしゃなり。きどって歩く姿には、思わず笑いがこみあげてきます。(東北地方の昔ばなし) |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
レコードの解説より | LPレコードの解説によると「東北地方の昔ばなし」 |
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