お伊勢の家はとても貧乏で、両親と幼い弟妹達と暮らしている。
そんなお伊勢に縁談が来た。嫁ぎ先は沖にあるとある離島で、その島へは船が無いといくことができないが、お伊勢のすんでいるところとは定期的な船の交通などなく、一度島へ渡ってしまえば簡単に帰ることはできなかった。
まだ幼さの残るお伊勢は家族とはなれるのは嫌だったが、お伊勢一人分の食い扶持が減ればそれだけ家族が助かると言われ、島へ嫁ぐことにする。島に嫁いだお伊勢はよく働きいい嫁になったが、いつも家族を恋しく思っていた。
ある晴れた日のこと、お伊勢はとうとう我慢ができなくなり、海へ入ると住んでいた村を目指して泳ぎだした。
だいぶ沖まできたことだった。さっきまでは晴れていたのに急に天候が悪くなり、海が荒れだした。波が高くり、お伊勢はもうすぐ浜に着くというところで、波に飲まれ力尽きてしまった。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 出雲・石見の伝説(角川書店刊)より |
出典詳細 | 出雲・石見の伝説(日本の伝説48),萩坂昇,角川書店,1980年7年20日,原題「お伊勢物語」犬島・猫島とお伊勢物語 |
場所について | 島根県益田市の沖合いにある高島 |
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