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No.0847
さんずのかわのばばさごけいり
三途の川の婆さ後家入り

放送回:0532-A  放送日:1986年01月25日(昭和61年01月25日)
演出:殿河内勝  文芸:沖島勲  美術:安藤ひろみ  作画:殿河内勝
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あらすじ

むかしむかし、ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいた。この二人は村でも評判の仲良し夫婦で、野良仕事するときも、食事も、寝るときもいつも一緒だった。そんな2人だったので、お互い後家入りはしない、後添えはもらわないと約束しあっていた。

ところが人間の命とはわからないもので、それからしばらくして、爺さまはぽっくりと逝ってしまった。婆さまはすっかり力を落としてしまったが、お茶が好きだった爺さまのことを思い出し、あの世の爺さまが不自由しないように、土瓶と湯のみをあの世に送ろうと思い立った。

そこで婆さまは、弓張り巫女(ゆみはりみこ)の所へ行き、どうしたらあの世に茶道具を送れるかと尋ねた。巫女はしばらく考えて、川に流せば川が運んでくれると言うので、婆さまは茶道具をお盆に載せて川に流した。

さて、季節は移り雪が舞い始める頃、婆さまは寒がりだった爺さまのことを案じ、今度は綿入れをあの世の爺さまに送ろうと思った。そしてまた弓張り巫女の所に行くと、巫女は木の枝に掛ければ、風が運んでくれるだろうと言う。そこで、婆さまは山の上の木の枝に綿入れを掛けておいた。

それから更に時は経ち、春のお彼岸がやってきた。この日は、弓張り巫女が口寄せをすると言うので、婆さまもあの世の爺さまに会いたい一心で、巫女に口寄せをお願いした。

巫女は、手に取った棒で弓に張った弦をはじき、あの世にいる爺さまの霊を降ろした。そこで婆さまは、茶道具や綿入れがちゃんと届いたかどうか爺さまに聞いた。爺さまが言うには、届くには届いたが、茶道具は川に流したのであっちこっちにぶつかり、土瓶の柄だけが届き、綿入れは木に掛けたのでボロボロになって届いたということだ。

それではあの世で爺さまは、茶も飲めず寒い思いをしているのだろうと思い、婆さまは爺さまのことが不憫でならず、思わず泣き出してしまう。ところが爺さまは、何も不自由はしていないと言う。実は爺さま、閻魔大王様の仲人で三途の川の婆さと一緒になるのだ。そういう訳で、何も心配は要らないという。この一言を聞いて婆さまは、「あんなに後家入りはしねえと、約束したでねえか!!あんまりだ!!」と巫女の胸ぐらに掴みかかるのだった。

婆さまは悔しくてならなかったが、三途の川の婆さというので、どうせ鬼のような女だろうと思うと少しはあきらめもついた。

さて、ちょうどその日はお祭りで、村の入り口には屋台やら見世物小屋などが並んでいた。婆さまがある小屋のそばと通ると、そこでは地獄、極楽などあの世の様子を描いた絵巻物が売られている。その絵巻物の1つには三途の川の婆さが描かれているではないか。そして、なんとそこに描かれた三途の川の婆さは、婆さまの予想に反して若く綺麗な娘だった。

爺さまがあんな若い娘と一緒にいると思うと、我慢が出来なくなった婆さまは、その絵を1枚買って家に帰り、「男というものは、いくつになってもしょうもない!!」と言いながら、三途の川の婆さの顔に墨で大きくバツ印をつけてしまった。

 

(投稿者: やっさん 投稿日時 2011-11-3 17:05)


ナレーション常田富士男
出典松谷みよ子(角川書店刊)より
出典詳細太平の天下(日本の民話09),松谷みよ子,角川書店,1973年11年25日,原題「三途の川のばばさ、後家入り」,伝承地「東北地方」
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※掲載情報は 2011/11/3 17:05 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
6件表示 (全6件)
Perenna  投稿日時 2020/9/23 23:02
この昔話と同じ話が、未来社の「越後の民話・第二集」にも収録されています。
「ばさと巫女」(長岡市蓬平)という話です。
じさとばさはお互いに死んでも、ほかの男をむこにとったり、きりょうのいいかかを持たないと約束します。
それからまもなく、じさが急病で、コロンと死んでしまいます。
ばさはとなりの人の忠告に従って、冥途にいるじさのために、茶道具を川に流したり、綿入れ着物を墓にかけてあげたりします。
ある日、ばさは、遠い村にいる死人を呼び出すマンチ(巫女)のところへ出かけます。
盲目の巫女が、御幣を振ってお経を読んでいるうちに、亡くなったじさの霊が巫女に乗り移ります。
じさはあの世で不自由はしていないと告げ、その理由として「エンマサマが、おらに、二十五、六の、きりょうよしの女をごけにとれ、といわした」と言って、再婚したことを告白します。
ばさはごうやいて(怒って)、「あれくらい約束したてがに、死んでから若い女を、かかにとって、ほんね、ほんね、おら、お前なんて、もう、会いたいもねえし、話すのもいやだ」というて、巫女の話がまだ終わらないのに、さっさと家に帰ってきてしまいました。
その後、ばさは山のお宮の秋祭の日に、地獄マンダラという見世物小屋に入りました。
見世物では、二十五、六の、色の白い、きりょうのいい女が、三途の川をこいでいる場面が演じられていました。
「じさの女は、このやつだ」と叫んで、その女の人形をとってきて、石にぶっつけて、こっぱみじんにしてしまいました。
すると小屋の人から「きちがいばさ、何している」とどやされて、ひどい目にあっててしまった、というオチです。
角川書店の松谷みよ子の話とは、どのような関係があるのか気になるところですね。
愛善院  投稿日時 2016/8/21 19:07
「三途の川の婆」は、冥土におけるいわば役職名でありまして(実際上、若い姿で描かれることも多い)、タイトルを「三途の川の爺」としてしまうことには無理が生じるかとます。
坊屋良子  投稿日時 2016/8/21 3:11
むしろ「三途の川の爺さ後家入り」とすべきかも
(そうするとタイトルでネタバレしてしまいますが)
Guest  投稿日時 2015/1/11 12:03
男というのはどうしようもない生き物だ。それは
今も昔も変わらないというのを強調した話ですね。
なんといっても閻魔大王の仲介だから婆さんに勝目はないでしょう。
あの世にいる以上、いつかは必ず六道のどれかに転生して苦労して魂を磨くという修行をしなければならない。
それは爺さんも三途の川の婆でも同じです。
婆さんが爺さんよりもいい目を見るには、転生して苦労する必要のない極楽に行くことを目指すしかないと思います。阿弥陀如来様のいる西方浄土では一切の苦から解放され、永遠の寿命を得ることができるそうですから。
ゲスト  投稿日時 2014/10/24 14:32
オチがわからなかった。
昔は墨でバツを描く行為が罰当たりで常識外れであるという前提なのだろう。
でも現代人にすりゃ 何の復讐にもなってないと感じるので、
「婆さんが爺に裏切られた!腹立つ!おわり。」というスッキリしない物語と感じ取ってしまう。
yassan  投稿日時 2011/11/3 17:12
梓弓を使った鎮魂帰神法?
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