Re: 三途の川の婆さ後家入り
投稿者:Perenna 投稿日時 2020/9/23 23:02
この昔話と同じ話が、未来社の「越後の民話・第二集」にも収録されています。
「ばさと巫女」(長岡市蓬平)という話です。
じさとばさはお互いに死んでも、ほかの男をむこにとったり、きりょうのいいかかを持たないと約束します。
それからまもなく、じさが急病で、コロンと死んでしまいます。
ばさはとなりの人の忠告に従って、冥途にいるじさのために、茶道具を川に流したり、綿入れ着物を墓にかけてあげたりします。
ある日、ばさは、遠い村にいる死人を呼び出すマンチ(巫女)のところへ出かけます。
盲目の巫女が、御幣を振ってお経を読んでいるうちに、亡くなったじさの霊が巫女に乗り移ります。
じさはあの世で不自由はしていないと告げ、その理由として「エンマサマが、おらに、二十五、六の、きりょうよしの女をごけにとれ、といわした」と言って、再婚したことを告白します。
ばさはごうやいて(怒って)、「あれくらい約束したてがに、死んでから若い女を、かかにとって、ほんね、ほんね、おら、お前なんて、もう、会いたいもねえし、話すのもいやだ」というて、巫女の話がまだ終わらないのに、さっさと家に帰ってきてしまいました。
その後、ばさは山のお宮の秋祭の日に、地獄マンダラという見世物小屋に入りました。
見世物では、二十五、六の、色の白い、きりょうのいい女が、三途の川をこいでいる場面が演じられていました。
「じさの女は、このやつだ」と叫んで、その女の人形をとってきて、石にぶっつけて、こっぱみじんにしてしまいました。
すると小屋の人から「きちがいばさ、何している」とどやされて、ひどい目にあっててしまった、というオチです。
角川書店の松谷みよ子の話とは、どのような関係があるのか気になるところですね。