昔、三河の国の岡崎のあたりに「おんたけ池」という池があり、旅人達や近所の人たちの憩いの場所になっていました。
ある暑い夏の日の事、吉田のお殿様ご一行が岡崎へ行く途中、おんたけ池のそばを通りかかりました。お殿様は、すっかりこの暑さにまいっていたので、自分も一休みすることにしました。
くつろいでいる旅人達の真似をして、池に足をつけたり湧水を飲んだり、裸足で走り回ったりと大はしゃぎしました。やがて夏の短い雨に降られ、大木の下で雨宿りをしながら、諸国を回る商人たちから楽しい話を聞くなどしました。
おんたけ池で楽しく過ごしたお殿様は、雨が上がると岡崎の城へ向けて出発しました。カゴの中で、鼻ちょうちんを膨らましながらいい気分で眠っていたお殿様が、何気に鼻をこすった際に、これまで忌々しく思っていた鼻の上の大きなイボがポロリと取れました。
イボが取れて大喜びしたお殿様は、これもおんたけ池の清水のおかげだとありがたがって、池のほとりにお宮さんを建て、毎年、酒樽をお供えするようになりました。おんたけ池は、それからもずっと人々の憩いの場所としてにぎわいました。
(紅子 2012-3-9 17:47)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 愛知県 |
DVD情報 | DVD-BOX第4集(DVD第18巻) |
場所について | 岡崎市上地町の上地若宮公園(御嶽池跡?) |
本の情報 | 講談社テレビ名作えほん第085巻(発刊日:1987年9月) |
講談社の300より | 書籍によると「愛知県のお話」 |
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