No.0717
しゃくなげ
石楠花
高ヒット
放送回:0450-B  放送日:1984年06月30日(昭和59年06月30日)
演出:古川雅士  文芸:沖島勲  美術:下道一範  作画:前田庸生
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あらすじ

佐渡の大倉村に、とても元気で可愛い娘が、木こりの両親と3人で暮らしていた。娘は、春から秋にかけて放牧している牛の世話係だったが、まだまだ遊びたい年頃だった。

そんな中、黒い子牛が産まれた。黒い子牛がすくすく育つのが嬉しくて、すっかり働き者になって牛の世話や両親の手伝いを嫌な顔せずやっていた。ひと冬を越したある日、母牛が病気で死んでしまった。これををきっかけに、娘はますます黒い子牛を大切に育てた。

それから2年目の夏、子牛は立派な若牛(黒毛の雄牛)に成長した。2本の角も立派に生えそろい、4本の脚もたくましく大地を蹴り、毛並みは黒々と艶やかに光っていた。娘は黒牛にまたがり、山の中を駆けまわって暮らしていた。

ある日の夜、娘は黒牛と一緒に、月夜がきれいな加茂湖を見に行った。帰り際、振り返った娘の目の前に、たくましい若者が立っていた。「私はあんたに育ててもらった黒牛だ。夏の月が加茂湖に映る間だけ、私は人間に姿になる事ができるんだ。私はあんたが好きだ。」

その日から娘は、毎夜毎夜、加茂湖の見える月夜の晩に、若者(黒牛)と会うようになった。娘にとって初めての激しい恋だった。

その年の冬、立派に育った黒牛を両親は売ることにしたが、娘は反対した。そこで娘が寝ている間の早朝に、こっそり牛を売りに出すため連れて行った。気づいて娘は追いかけたが、峠のがけ下で、口から真っ赤な血を流して死んでしまった。

翌年の春、娘が死んでいた大倉峠に一本の木(石楠花)が生えてきた。

(紅子 2011-5-28 2:49)


ナレーション常田富士男
出典新潟県
DVD情報DVD-BOX第9集(DVD第44巻)
場所について佐渡市大倉(地図は適当)
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地図:佐渡市大倉(地図は適当)
追加情報
講談社の300より書籍によると「新潟県のお話」
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※掲載情報は 2011/5/28 2:49 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
5件表示 (全5件)
日清皿太夫  投稿日時 2021/12/1 3:29
 グループ・タックの前身とも言える虫プロ時代から編集を手掛けて来た古川D唯一の演出作品。秀逸ですね。このまま実写化出来そうなほど間延びしたところが無く、ラストカットがファーストカットに回帰する『市民ケーン』みたいな構成が鮮やかに決まり、涙の滴が一瞬輝き眼に焼き付く。他の話ではちょっと見つからない水浴びする姿の艶めかしさ。キャラクターの顔を写さず手元や後ろ姿で感情の動きを、悲惨な顛末を赤い手拭いだけで知らせる詩情の豊かさなどは、『昔ばなし』でも屈指ではないでしょうか。演技のやり過ぎなさも丁度良い。

 この回の画は、私にはあだち充調に見えて仕方が無かったのです。調べてみればグループ・タックは当時杉井Dが演出、アニメーション・ディレクターを前田Dが務めてあだち充作品『ナイン』を作っていて、1985年ほぼ同じ面々の手で『タッチ』が始まる。関係者の興味深い裏話があるのでしょうねえ。

 石楠花繋がりでNo.0870「背振山の石楠花」を続けて観ると、ダメだなあ(苦笑)
Perenna  投稿日時 2021/4/22 0:29
この昔話は「日本の伝説9・佐渡の伝説」(角川書店)にも収録されています。
「牛恋峠」という題名です。
「むかし、大倉の村に、ひとりの美しい娘がおった。おとうも、おじいもみんな木こりだったので、だれ言うとなく、その娘のことを、おソマ、おソマとよぶようになった。おソマは、おかあの手伝いをして田畑に出たり、牛のせわをしたりして暮らしておった。」という書き出しで始まっています。
また、結末のところでは次のように書かれています

「年が明けて春になると、大倉峠のおソマが血を吐いて倒れた地面から、真っ白いつぼみをつけた一本の木が生えてきた。その木はだんだん大きく伸びて、初夏の月の照る晩に、ほんのり赤みを帯びた白い花を咲かせた。石楠花(しゃくなげ)の花だった。」
この伝説の元になった本は「外海府こどもむかし話」(児玉宗栄編)と注記されています。
ゲスト  投稿日時 2019/8/3 0:28
かなわぬ恋で切ないな。あまり語られない話なのが残念。
ゲスト  投稿日時 2017/8/22 20:56
佐渡市大倉地区へ行く機会がありました。
背景画とよく似た景色があったので、彼女の想いに身を重ねながら眺めていました。

大倉峠については現地の方もご存知無く、山も険しい為に場所の特定は出来ませんでした。

なお、佐渡では実際に酪農家が十数軒ほどあって佐渡牛乳ブランドで乳製品を販売しています。
ちの  投稿日時 2015/7/29 19:09
一番好きなお話。
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