和尚さんが古い茶釜を買ってきて、お湯を沸かそうと火にかけたところ、茶釜が「熱い!」と悲鳴をあげた。気味悪がった和尚さんは、古道具屋にただで譲った。
古道具屋は家に持って帰って、その茶釜がタヌキが化けたものだと知る。タヌキはその姿のまま元に戻れなくなってしまったというので、古道具屋はタヌキの言われたままに見せ物小屋を作ってやり、分福茶釜と銘打って見せ物をしてたくさんのお金を稼いだ。
やがてタヌキは病気を患い、茶釜の姿のまま死んでしまった。古道具屋は茶釜をお寺に運んで供養してもらった。その茶釜は茂林寺に今も伝えられているという。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 14:35 )
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | (表記なし) |
現地・関連 | お話に関する現地関連情報はこちら |
場所について | 群馬県の茂林寺 |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第8巻-第036話(発刊日:1976年9月20日)/童音社BOX絵本_第41巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第056巻(発刊日:1980年かも)/二見書房まんが日本昔ばなし第14巻-第53話(発刊日:2006年8月30日)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第10巻(絵本発刊日:1984年10月15日)/講談社テレビ名作えほん第007巻(発刊日:1977年8月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説によると「群馬県の昔ばなし」 |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「群馬県の昔ばなし」 |
講談社のデラックス版絵本より | 人を化かすのが得意なのに、茶がまに化けて元の姿に戻れなくなってしまうとは、なんとも間の抜けたたぬきなのでしょう。そこが、人々に愛されるゆえんでもあります。この「ぶんぶく茶がま」は群馬県館林市にある茂林寺に伝わる話で、「くめどもつきぬ茶をわかし、やがて手がはえ足がはえ、そしてうかれて踊りだす。たぬきの化けたこの茶がま…」と書かれており、ぶんぶく茶がまは、今もここに大切に保存されています。“ぶんぶく”とは福を分け与えるとうい意味の“分福”であるとか、湯の湧く音であるとか、いろいろな説があります。(群馬地方の昔ばなし) |
講談社の300より | 書籍によると「群馬県のお話」 |
レコードの解説より | LPレコードの解説によると「群馬地方の昔ばなし」 |
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