昔ある所に猟師が住んでいた。この猟師女房に死なれてから生活が荒れ、村の掟をも破りついに子供と共に村を追い出されてしまった。
それで都へ向かおうと思いある所で休んでいると、岩の穴から「うとう」という珍しい鳥が顔を出したので、こいつを都で売れば儲かると思い鳴き真似をしてヒナを捕まえた。そしてヒナを持って都へ出掛けたがうとうの親鳥が追ってきた。
男は都を目指して昼も夜も歩き続けたが、うとうの親鳥はどこまでも追って来た。そのうち吹雪になってしまった。男は子供を背負って必死に歩いていたが、その時うとうの声が聞こえた。男は「どんなことがあってもこのヒナは都へ持って行くぞ」と叫んだ。
次の朝近くの村人が歩いていると、人が倒れているのが見えた。駆け寄って起こしてみると父親は子供をかばうように倒れており、父親の息はもう無く、子供は生きていた。 その近くに鳥が死んでおり、その下にはもう一羽の鳥がうずくまっていた。村人が拾い上げてみると鳥ははばたき出した。
猟師の男もうとうの親鳥も、わが子を守ったのだった。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 長野県 |
DVD情報 | DVD-BOX第8集(DVD第36巻) |
現地・関連 | お話に関する現地関連情報はこちら |
場所について | 善知鳥峠(うとう峠、地図は適当) |
講談社の300より | 書籍によると「長野県のお話」 |
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