放送回 | No.0511(0321-B) |
放送日 | 1981年12月26日(昭和56年12月26日) |
出典 | 長野県 |
クレジット | 演出:芝山努 文芸:沖島勲 美術:海野竜男 作画:石井文子 |
ナレーション | 市原悦子 |
昔ある所に猟師が住んでいた。この猟師女房に死なれてから生活が荒れ、村の掟をも破りついに子供と共に村を追い出されてしまった。
それで都へ向かおうと思いある所で休んでいると、岩の穴から「うとう」という珍しい鳥が顔を出したので、こいつを都で売れば儲かると思い鳴き真似をしてヒナを捕まえた。そしてヒナを持って都へ出掛けたがうとうの親鳥が追ってきた。
男は都を目指して昼も夜も歩き続けたが、うとうの親鳥はどこまでも追って来た。そのうち吹雪になってしまった。男は子供を背負って必死に歩いていたが、その時うとうの声が聞こえた。男は「どんなことがあってもこのヒナは都へ持って行くぞ」と叫んだ。
次の朝近くの村人が歩いていると、人が倒れているのが見えた。駆け寄って起こしてみると父親は子供をかばうように倒れており、父親の息はもう無く、子供は生きていた。 その近くに鳥が死んでおり、その下にはもう一羽の鳥がうずくまっていた。村人が拾い上げてみると鳥ははばたき出した。
猟師の男もうとうの親鳥も、わが子を守ったのだった。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)
地図:善知鳥峠(うとう峠、地図は適当) |