No.1172
のたぼうず
のた坊主

放送回:0739-B  放送日:1990年03月03日(平成02年03月03日)
演出:藤原万秀  文芸:沖島勲  美術:渡辺由美  作画:藤原万秀
愛知県 ) 7407hit
あらすじ

昔、尾張の上半田にはたくさんの造り酒屋があった。

そのうちの1軒に、毎年酒ができる頃になると、できたての酒を飲みに来る「のた坊主」というタヌキがいた。のた坊主とは、酒を飲んで酔っ払って歩く姿が、のたのたしていたためについた名前である。

のた坊主はいつの間にか酒蔵に紛れ込んで、できたての酒をたらふく飲んでしまうのであった。店の主人や使用人はのた坊主が忌々しくてたまらなかったが、主人の母親だけはのた坊主に対して寛容であった。

ある年のこと、今年もうまい酒ができあがった。のた坊主はいつもの男の姿に化けて、できたての酒を飲みに来た。今年はどうしたことか、店の者はみな忙しく働いており、のた坊主が紛れ込んだことにおかまいなしの状態であった。

しかしそれは、店側のわなであった。のた坊主に酒を飲めるだけ飲ませてしまい、酒によって動けなくなったところを捕まえようというものであった。

すっかり酔っ払ってしまったのた坊主は、店の主人につかまってしまった。縄で体を縛られ、涙を流すのた坊主であったが、店の主人も使用人ものた坊主を許そうとはしなかった。

そこへ店の主人の母親がやってきた。のた坊主の縄を解いて放せ、というのである。そんなことをしたら、のた坊主がまた悪さをする、と反対する主人であったが、母親はのた坊主が酒を飲みに来て困るのならば、こちらからのた坊主の住む藪へ、酒を届けれやればよいというのであった。

「のた坊主に酒を届けてやる」という考えは、主人にも使用人にもなかった。のた坊主は縄を解かれて自由になった。そして店の主人はのた坊主の住む藪に、毎年酒を届けてやるようになった。するとこの酒屋はその後、どんどん繁盛していったという。

(投稿者: カケス 投稿日時 2013-9-12 20:03 )


ナレーション常田富士男
出典小島勝彦(未来社刊)より
出典詳細尾張の民話(日本の民話66),小島勝彦,未来社,1978年05月10日,原題「つくり酒屋ののた坊主」,採録地「半田市」,話者「小栗久夫」,採集「沢井君子」
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※掲載情報は 2013/9/12 22:37 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
5件表示 (全5件)
ゲスト  投稿日時 2015/11/1 20:43
のた坊主
出身:愛知県半田市堀崎町附近
簡易解説:人間に化けて、白黒のだんだら模様のでんちを着て、造り酒屋の元酒を盗み呑んでいく古狸である。酒屋の裏藪に棲んでいたが、一度とっちめられてからはもう盗まなくなったという。
出典:小栗久夫『半田の伝説』、小島勝彦編『尾張の民話』、日本児童文学者協会編『愛知県の民話』など。
伝承・詳しい解説:愛知県半田市周辺は昔から醸造業の非常に盛んな地域である。現在も「国盛」などで有名な中埜酒造、お酢で全国的に有名なミツカンがあり、お隣の常滑市は「ねのひ」で有名な盛田発祥の地でもある。その中埜酒造本社や、ミツカン本社から少し北に進んだ半田市堀崎町附近に「のた坊主」という古狸が出て、酒蔵から酒を盗んでいたという。

=小栗久夫著『半田の伝説』より「のた坊主」の話を要約する。=
愛知県半田市堀崎町附近を上半田といい、かつては造り酒屋が何軒も軒を連ねていた
北と東には鬱蒼とした竹薮が茂っており、酒樽のタガに使われていた。この竹薮に「のた坊主」と呼ばれる古狸の親子が何組も棲んでいたという。
「のた坊主」とは、人間に化けて白と黒のだんだら模様のでんち(殿中羽織・ちゃんちゃんこ等袖なしの羽織)を着て、酒蔵の中で醗酵中の元酒を盗み呑んでいく古狸を指す。
ある三月の終わり頃。「のた坊主」がとある造り酒屋の東蔵にやってきた。
今年こそ「のた坊主」を捕まえようと考えた店の人は、敢えてゆっくり酒を呑ませ、酔っ払った所を捕まえようと考えており、わざと見てみぬ振りをしていた。
そうとは知らない「のた坊主」は、近くにあった杓子でたらふく元酒を呑み、ふらふらになるまで酔った。立ち上がった拍子に樽から落ちてしまい、遂に若衆たちに捕まってしまった。捕まった「のた坊主」は自分が裏藪に棲む狸であること、今後は悪さをせず、家の繁盛を守るので許して欲しいと泣いて謝った。そのため、店の者は裏藪に放してやった。
その後、その造り酒屋の主人は毎年「たぬき祭り」を行った。それからは「のた坊主」も出なくなり、毎年よい酒が出来、家は益々繁盛したという。

(略)
伝承地のすぐ傍には、有名な酒造メーカーが現存することであるし、「半田の地酒 のた坊主」とか、実際に開発販売していただけないものであろうか。造り酒屋を繁栄させた、大変縁起の良い狸であるし、白黒模様もアピールにうってつけである。今後、是非、多くの人に「のた坊主」を知って、愛していただいて、「地酒 のた坊主」がノタならぬ与太話で終らぬよう、切に祈る次第である。
http://aichiyoukwaitai.web.fc2.com/
ゲスト  投稿日時 2015/11/1 20:24
銘醸地、尾州半田
知多の地酒の歴史は古く、さかのぼること三百有余年。江戸初期寛文五年(一六六五年)には、知多全体で114軒、半田では10軒の酒造家が創業していました。

現在、web上は2社のみ現存しています。(お話の酒蔵か不明)
http://www.aichi-sake.or.jp/01-03_kuramoto-chita02.html

中埜酒造株式会社(中埜酒造)
〒475-0878 半田市東本町2-24 TEL. 0569-23-1231 FAX. 0569-23-1124
ホームページ http://www.nakanoshuzou.jp/index.html
手造りを超える旨さを求め、昭和59年に新國盛蔵が完成。近代設備の中にも杜氏の永年培った技や経験の全てをフルに発揮出来る環境を実現しました。そして、研ぎ澄まされた五感を駆使して國盛が誕生します。國盛が目指すのは、ふくよかな香りで味わいがあるキレの良い「芳醇麗酒」です。また、昭和60年には日本酒の歴史や酒文化そして國盛の伝統を紹介出来る「酒の文化館」を設立し、日本酒の素晴らしさを広く提唱しています。

盛田金しゃち酒造株式会社(金しゃち酒造)
〒475-0023 半田市亀崎町9-112 TEL. 0569-28-0250 FAX. 0569-29-2636
愛知県半田・亀崎はかつて江戸時代に「中国酒」として隆盛を極めた銘醸地であり、平成22年2月より弊社がその当時の醸造技術を今に受け継ぐ伝承の蔵元です。和釜による蒸米手作業による製麹など従来からの技術に現代の手法を加えながらひとつひとつ丁寧な酒造りを心がけております。清酒「金鯱」は地元名古屋のシンボルであり飲みあきしない酒です。
ゲスト  投稿日時 2015/11/1 20:17
のた坊主(のたぼうず)とは、上半田(愛知県半田市堀崎町付近)の古狸の妖怪である。 人間に化けて、白と黒のだんだら模様のでんちを着て毎年酒蔵に勝手に入ってきて原酒を飲んでいき、のたのたと逃げていく。 名前の語源は不明。
民話
ある酒蔵に忍び込んだのた坊主はそこの男たちに捕まってしまう。そこでのた坊主はその酒蔵の男たちに、酒蔵の近くの藪の穴には自分を必要とする狸が二匹いるということと、今後は盗みもしないし、一族のものにもそんなことはさせないので助けてくれと言うと、その酒蔵の男たちはのた坊主のその様子を哀れに思い、のた坊主を許すことにした。 許してもらったのた坊主はその恩返しにその酒蔵の商売が繁盛するように守ると約束し、その後その家はますます繁盛したという。
アニメ
まんが日本昔ばなしでは、のた坊主の話に民話では出てこない酒蔵の主人の母親が出てくる。 民話と違うところはのた坊主が捕まった時に主人の母親がのた坊主を解放して、のた坊主に酒を届けてやるということを提案し、主人が毎年酒をのた坊主に届けるようになり、その後その酒屋が繁盛したという部分が民話と異なっている。
参考文献
小島勝彦著『東海の民話』 1980年(昭和55年)7月 中日新聞社
小栗久夫著『半田の伝説』 1974年(昭和49年)4月 誠進堂
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AE%E3%81%9F%E5%9D%8A%E4%B8%BB
beniko  投稿日時 2013/9/13 19:30
このお話の舞台になっている造り酒屋の場所がわかる方、いらっしゃいましたら教えてください。
ゲスト  投稿日時 2012/2/21 23:39
どうやらこの話はごんぎつねの作者の新美南吉さんの故郷の愛知県半田市の話
ならしいです。
現在も半田市にはお酒に関係する会社がありました。
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