のた坊主(のたぼうず)とは、上半田(愛知県半田市堀崎町付近)の古狸の妖怪である。 人間に化けて、白と黒のだんだら模様のでんちを着て毎年酒蔵に勝手に入ってきて原酒を飲んでいき、のたのたと逃げていく。 名前の語源は不明。
民話
ある酒蔵に忍び込んだのた坊主はそこの男たちに捕まってしまう。そこでのた坊主はその酒蔵の男たちに、酒蔵の近くの藪の穴には自分を必要とする狸が二匹いるということと、今後は盗みもしないし、一族のものにもそんなことはさせないので助けてくれと言うと、その酒蔵の男たちはのた坊主のその様子を哀れに思い、のた坊主を許すことにした。 許してもらったのた坊主はその恩返しにその酒蔵の商売が繁盛するように守ると約束し、その後その家はますます繁盛したという。
アニメ
まんが日本昔ばなしでは、のた坊主の話に民話では出てこない酒蔵の主人の母親が出てくる。 民話と違うところはのた坊主が捕まった時に主人の母親がのた坊主を解放して、のた坊主に酒を届けてやるということを提案し、主人が毎年酒をのた坊主に届けるようになり、その後その酒屋が繁盛したという部分が民話と異なっている。
参考文献
小島勝彦著『東海の民話』 1980年(昭和55年)7月 中日新聞社
小栗久夫著『半田の伝説』 1974年(昭和49年)4月 誠進堂
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AE%E3%81%9F%E5%9D%8A%E4%B8%BB