No.1139
しにがみ
死神
高ヒット
放送回:0719-A  放送日:1989年10月07日(平成01年10月07日)
演出:吉良敬三  文芸:沖島勲  美術:落合由美子  作画:木村光宏
ある所 ) 38031hit
あらすじ

ある男が夜道を歩いていると、前から白い服を着た変な者がやって来た。

男は不思議に思ってお前は 誰だと聞くと白い者は「死神だ」と答えた。死神は男に「俺が病人の尻の方に座るとその病人は死ぬ、だが頭の方に座るとその病人はすぐ治る。だからお前 明日から医者になれ」と言って、男に呪文を教えるとすっと消えてしまった。

という訳でこの男、次の日から偽医者になってしまった。そしてある日ある金持ちの旦那が病気だと言うので診察に行った。部屋を見回すと死神が病人の尻の方に座っているのを見付け、もう助からないと男は首を横に振った。

家の者は慌てて「先生、うちの人を助けてくれたら千両差し上げます!」と言った。千両と言ったら一生暮らせる金。男は思案すると、家の者を廊下に集め「病人の布団を持ち上げて頭と尻を逆にすれば助かる」と教えた。 家の者は言われた通り布団を持ち上げ、頭と尻を入れ替えた。

すると旦那はたちまち元気なり、男はまんまと千両という大金を手に入れた。だがこれに怒った死神は「決り事を破ったからには死んでもらう」といきまいた。死神は、無数のろうそくが並んだ場所に男を連れて行った。死神は「これは寿命のろうそくだ。このろうそくが燃え尽きた時人間の一生が終る」と教え、男のろうそくを取り出した。そのろうそくは今にも燃え尽きそうに小さくなっていた。

死神は、ちょうちんのろうそくを取り出し、死にたくなければこれをつぎ足せと言った。男は震える手でろうそくをつぎ足そうとしたが、その時一陣の風が吹いてろうそくの火が消えてしまった。その途端、男は死んでしまった。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション市原悦子
出典クレジット不明
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
追加情報
このお話の評価6.7000 6.70 (投票数 10) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 68  件):   <前  1 ..  48  49  50  51  52  53  54  .. 68  次>  
コメント一覧
10件表示 (全15件)
Opera  投稿日時 2022/1/30 16:45
演出の吉良さんのアニメ会社のホームページからの情報で、この話の出典は恐らく、「東北に残った大坂の昔」講談社(1976年04月24日)ではないかと思われます。元ネタは落語でしょうけどこのアニメでは山形県の話だと思われます。
けんじ  投稿日時 2021/6/26 20:17
米津玄師の新曲がこれですよね。
落語ですが、
日本昔話で見た気がしたので調べてみたら
やはりそうでしたか。
坊屋良子  投稿日時 2021/6/18 21:39
まん日ファンでおなじみの伊集院光が、2021/06/13に落語会をやったのですが、演目がこの「死神」でした。
もんた  投稿日時 2020/1/26 16:58
俗物的で面白い。
Perenna  投稿日時 2019/4/10 0:57
この昔話はあきらかに落語だと思いますが、元ネタはやはりグリム童話の「死神の名つけ親」らしいですね。(コマ番号57/111)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1168079/57

死神の教えた「あやらかもくれんかんきょうちょうてけれっつのぱー」という呪文の原形はいちばん古いものですと、明治23年に出版された「通人必携粋のふところ」という本に紹介されている言葉らしいです。(コマ番号58/83)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856030/58

「あ?シャンもんれんきうれんく?んのテケレツパア」

こうした意味不明な言葉は、宴会などで披露される地唄とか地口といった洒落っ気のある言葉遊びだったみたいですね。

頭方  投稿日時 2018/12/16 20:10
この話の舞台は、おそらく出羽国(山形県)だと思います。
ゲスト  投稿日時 2017/7/25 22:52
蝋燭に火を灯そうとするシーンがやけに印象に残っているのを思い出した
今見ても蝋燭のシーンは怖い
虫  投稿日時 2017/7/16 11:53
死神の出典は、武田正(講談社)です。スリー・ディのホームページに出典が明記されていました。

seiuchi  投稿日時 2017/1/27 23:27
江戸落語家・初代三遊亭圓朝が作った怪談噺の大ネタ。元は圓朝がグリム童話の「死神の名付け親」と歌劇「クリスピーノと死神」を元にして作ったとされる。圓朝はこの原話を福地桜痴(歌舞伎「鏡獅子」の作者)に聞いたと言われる。
愛善院  投稿日時 2016/8/12 0:58
江戸落語にも上方落語にもありますが、どうも初出は江戸らしく、しかも古典落語でありながらグリム童話が元になっていることがおおよそ間違いないと言われております。
投稿ツリー
10件表示 (全15件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

53 人のユーザが現在オンラインです。 (40 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)