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No.0161
なけばひゃくにんりき
泣けば百人力

放送回:0100-A  放送日:1977年09月10日(昭和52年09月10日)
演出:藤本四郎  文芸:沖島勲  美術:田中静恵  作画:高橋信也
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あらすじ

昔、阿蘇山のふもとのひのき村というところに、大吉という体は大きいがぼーっとしていて頭の足りない若者がおった。

ある日、大吉が山で仕事をしている男たちに弁当を届けようと、山道をあるいていた。ところが大吉は途中で腹が減ってしまい、途中で弁当を全部食べてしまった。

腹が減っていた男たちは大吉に腹を立てて、寄ってたかって大吉を殴った。すると大吉は「おらが悪いんじゃぁ」と大泣きながら、男たちが何十人掛かっても下ろせなかった大松を、一人で担いで村まで運んでしまった。

またある時も、大吉は父親に「なば(きのこ)を取ってこい」と言われた。大吉は、山できのこがたくさん生えている木を見つけたが、大男の大吉は木に登ることができなかった。

どうしようもなかった大吉はとうとう泣き出し、なばの生えている木ごと引き抜いて、村に持ち帰った。これ以降、村人たちは大吉のことを「なば」と呼ぶようになった。

ある年のこと、大雨が降り村人たちは大慌てで川に堰(せき)を作ることとした。なばの力も借りようとするが、泣かないなばに大力は出なかった。

村人たちから「肝心な時には役に立たん奴じゃ」と言われたなばは、「おら何にも役に立たんアホたい」と泣き出した。そして泣きながら、見事な堰を一人で作ってしまった。

そして今でも「なばの泣き堰」として、人々の生活に役立っているという。

(投稿者: カケス 投稿日時 2013-9-15 12:08 )


ナレーション常田富士男
出典辺見じゅん(角川書店刊)より
出典詳細民衆の英雄(日本の民話04),辺見じゅん=清水真弓,角川書店,1973年3年20日,原題「泣けば百人力」,伝承地「熊本県」
場所について阿蘇山の麓にある檜の木村
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追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第26巻-第129話(発刊日:1978年11月24日)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説には地名の明記はない
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※掲載情報は 2013/9/15 14:21 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
4件表示 (全4件)
Perenna  投稿日時 2020/12/17 0:22
いろいろと調べてみたのですが、この昔話の舞台になっている「阿蘇山のふもとの檜の木村」というのは、どうやら実在しない村みたいですね。
そのかわり、「なば」が米びつを背負って弁当を届けに行った「小嵐山」は実在します。
阿蘇市一の宮町中通にある小山で、以下のブログにも「なばの泣き石」というものが紹介されています。
http://longlivenama.blog8.fc2.com/blog-entry-424.html?sp

角川書店の「民衆の英雄」には、「なば」が阿蘇の殿さま(阿蘇神宮の大宮司さん?)のお伴をして熊本城に出向く話も載っています。
殿さまを乗せた駕籠をひょいとひとりでかついで、途中の橋の真ん中で駕籠をかついだまま、ちょいと一服といった調子でたばこを吸ったりしています。
「気はめっぽういいが少し頭の足りない男」とも書かれていますので、アニメのような童顔で幼稚でボケ~とした感じの人物ではなかったのかもしれませんね。
ゴンザ  投稿日時 2020/4/25 23:09
山で仕事をしている男たちがかしき長者の漁師たちに酷似してますね
ゲスト  投稿日時 2018/7/16 11:48
ちょっと可愛い笑
匿名希望。  投稿日時 2013/9/8 10:45
泣きながら自分の力を出す主人公って意外です。
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