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No.1414
えどんとっつあん
江戸ン父っつあん

放送回:0899-A  放送日:1993年08月14日(平成05年08月14日)
演出:前田こうせい  文芸:沖島勲  美術:松岡聡  作画:前田こうせい
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あらすじ

昔、熊本県の八代湾(やつしろわん)に面した漁村に、母とまだ幼い子供が住んでいました。父親は出稼ぎに行ったきり、二人暮らしが寂しいのか子供は夜になるとぐずるのでした。

もちろん母親も、なかなか戻ってこない父親の帰りを心待ちにしていました。江戸から便りもなく不安にかられた母親に、近所のおかね婆さんも気にかけてくれましたが、不安は募るばかりでした。

ある晩、なかなか泣きやまない子供に「江戸のおとっつあんを見せてやる」と言って、母親は子供を高々と持ち上げ、八代湾に見える不知火の灯りを見せました。不知火(しらぬい)とは、この辺りの海で夜になると見える、不思議な灯りの事です。その晩は、いつもより沢山の不知火が見えて、子供は「江戸の灯がいっぱいだ、江戸の父親が帰ってくる」と大喜びでした。

真夜中、眠っていた母子の家の戸口を叩く物音がしました。そこには待ちわびていた父親が、お土産をいっぱい持って立っていました。「早く顔を見たくて、夜道を歩いて帰って来た」という父親に、母親はそっと涙を流しました。

(紅子 2012-5-9 0:13)


ナレーション常田富士男
出典熊本県
場所について不知火周辺(地図は適当)
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地図:不知火周辺(地図は適当)
追加情報
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※掲載情報は 2012/5/9 0:13 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
3件表示 (全3件)
カケス  投稿日時 2020/12/30 11:37
このお話、まさに2020年の年末に見ると特に心にしみるものがあると思います。
年末年始に家族のもとに帰ることを楽しみにしていたお父さん、その他帰省する予定だった方の中にも、今年は帰ることを断念された方も多いのではないでしょうか?
2020年の年末の日本の家族にも重なるような気がします。
また現代と違って、電話やメール、LINEなどもない時代ですから、江戸にいるお父さんに会いたいという気持ちが余計に強くなると思います。坊やは小さいながらも寂しさによく耐えていましたし、お母さんもお父さんが戻ってくることを信じて、坊やをしっかり育てている。お父さんは早く家族のもとに帰りたくて、夜道を急いで帰ってくる。離れて暮らしていても、絆の強い家族だと思いました。
こわい顔のおかねばあさんも、本当は優しいお婆さんでしたね。このお話は悪人が出てこないのも大好きな点の一つです。
あいはふり  投稿日時 2019/7/10 16:09
この回は、まさに名作中の名作です。
構成も素晴らしく、まるで映画を観ているような情緒的で深い感動を与えてくれます。
なにか不思議なことが起こるとか、奇をてらうオチがあるわけでもありません。
江戸へ出た父を心待ちにするという、ただそのことだけで、見る者が様々に感じ取れるようになっています。
マルコビッチ  投稿日時 2011/10/18 20:49
子供が夕日を見て「おっとっつぁーん」って叫んでいるシーンが泣けました・・・。
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