No.1011
きつねみず
キツネ水

放送回:0637-A  放送日:1988年02月20日(昭和63年02月20日)
演出:岩崎治彦  文芸:沖島勲  美術:門屋達郎  作画:岩崎治彦
熊本県 ) 16152hit
あらすじ

昔、熊本の稗方というところに村があったが、水の便が悪く作物がとれず人々は苦しい生活をしていた。この村に、伊助という笛吹きが上手い若者がいた。

ある朝、伊助が笛を吹いていると、自分を呼ぶ声がしたので振り返ると、一匹の狐がいた。狐は息子が嫁をもらうことになり、嫁入りの時に伊助に笛を吹いてもらいたいとお願いした。伊助は狐の頼みを快く引き受けた。

そして三日後。伊助の家に羽織袴姿の狐が二匹やって来て、彼を迎えにやって来た。伊助が狐たちの案内について行った先に見えたのは豪華な屋敷で、三日前に会った狐が出迎えてくれた。

約束通り、伊助は嫁迎えの笛を吹いていると花嫁がやって来た。屋敷内で婚礼の儀が執り行われたあと、宴会が賑やかに開かれた。伊助も宴会に加わったが、酒に酔って眠ってしまい朝になった。彼が目を覚ますとそこは屋敷ではなく、自分の家だった。

伊助は水を飲もうと水瓶の蓋を開けた時、水瓶の中に狐の姿が見えた。狐は昨夜のお礼として、人々が水に困っていると知り、水の出るところを教えた。「山の中の林の中に柴が生い茂る所があって、そこに椿の枝が挿している」と教えた。

伊助は言われた通り山の中に入ると、山椿の花をつけた枝が一本挿してあった。伊助が椿の花に触れると花が地面に落ち、そこから水が湧きだした。喜んだ伊助は水のことを人々に話し、水の辺り数ヶ所を掘ってみるとすぐに綺麗な水が湧き出た。

狐が教えた水のおかげで、作物が沢山とれただけでなく、干ばつの時も水が干上がることはなかった。そして今でも、稗方のある村では、数十戸の家がこの水を平井戸として使っているそうだ。

(投稿者: Kotono Rena 投稿日時 2013-10-04 21:00)


ナレーション市原悦子
出典熊本県
場所について熊本県の稗方(地図は適当)
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地図:熊本県の稗方(地図は適当)
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※掲載情報は 2013/10/4 23:38 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
3件表示 (全3件)
ゲスト  投稿日時 2019/1/31 18:48
まんが日本昔ばなし
私はこの番組を幼い頃にリアルタイムで
見ていました。土曜日の夜7時が
どんなに待ち遠しかった事か(笑)
思い返してみると宝物のような番組です。
遠い昔から語り継がれた事が
ここで途切れてしまうのかと思うと
私は不安と同時に大きな悲しみが
沸き起こります。
昔の人はとてもとても純粋でした。
純粋だからこそ今では信じられない
天狗、河童、キツネやタヌキの化ける姿など
本当に身近な感じだったのかもしれないですね!
そんな貴重な体験を語ったのが昔ばなしなんですよね…
熊本県稗方に実在する村や井戸や今でも残るお祭りは私を確信へと導かせてくれます。
ゲスト  投稿日時 2015/10/4 11:34
むかし話に出てくるキツネといえば、人を騙して悪さをするというイメージが強かったです。でも、人から受けた恩を忘れずに返すような、品格あるキツネもいた、というお話しで心が温まります。
ゲスト  投稿日時 2014/10/13 23:30
主人公も狐も、柔らかくて優しい雰囲気と性格でほのぼのとするお話ですね
椿の花が落ち、そこから水が湧くまでシーンは実に幻想的で美しいです
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