No.0095
たこはちちょうじゃ
蛸八長者
高ヒット
放送回:0058-A  放送日:1976年11月13日(昭和51年11月13日)
演出:小林三男  文芸:沖島勲  美術:下道一範(青木稔)  作画:上口照人
四国地方 / 兵庫県 ) 35321hit
あらすじ

昔、兵庫のある海辺の村に、タコなわ捕りの親子が住んでいました。ある時、息子も二十一歳になったので、金毘羅参りに行こうと、タコなわ捕りのおやじは四国へ向けて出発しました。

金毘羅船の中で知り合った大阪の鴻池の長者と一緒に、無事金毘羅参りをすませ、宿の湯につかっていた時の事。おやじと長者さんが、自宅の話をしているうちに、長者はすっかりおやじの事を「大金持ちの蛸八長者」だと勘違いしてしまいました。そして、長者の末娘をおやじの息子の嫁にしてほしい、と申し出ました。

金毘羅さんから海辺の家に戻ったおやじは、丸に八の字のかかれた旗を村中に掲げました。後日、村の様子を偵察にきた鴻池の長者の番頭さんは、またまた「村中が蛸八長者の持ち物だ」と勘違いしました。そんなわけでとんとん拍子で事は進み、とうとう鴻池の長者の末娘が嫁ぐ日になりました。

千石船に大判小判、嫁入り道具を沢山積んで、一同で蛸八長者の住む村へやってきました。ところが、いざ家に行ってみると、粗末な掘っ立て小屋だったもんだから、鴻池の長者は騙されたと思って腹を立てました。しかし末娘は「これも縁ですから、このまま嫁になる」と健気に言って、その夜めでたく婚礼を行いました。

その後、おやじの家では末娘が持ってきたお金で商売を始め、やがては千石船を四八杯(48隻)も持つほどの大長者になりました。これで本当の「蛸八長者」になりましたとさ。

(紅子 2012-3-27 17:37)


ナレーション市原悦子
出典(表記なし)
DVD情報DVD-BOX第6集(DVD第26巻)
VHS情報VHS-BOX第5集(VHS第46巻)
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追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第14巻-第067話(発刊日:1977年4月15日)/講談社テレビ名作えほん第020巻(発刊日:1978年1月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説によると「四国地方の昔ばなし」
講談社の300より書籍によると「兵庫県のお話」
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※掲載情報は 2012/3/27 17:37 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
7件表示 (全7件)
ゲスト  投稿日時 2021/10/20 13:32
正に、アンジャッシュ状態な展開ですね❗
Perenna  投稿日時 2020/12/20 23:08
この昔話の出典になったのは、角川書店の「長者への夢・日本の民話5」ではないでしょうか?
「蛸八長者」という題名で、四国地方の昔話ということで、瀬川拓男が文章を書いています。
ストーリーはアニメとほぼ同じですが、結末は鴻池の末娘が持ってきたお金と、家の裏の岩屋からとれた金を元手にして商売を始め、「しまいには千石船を四十八杯も持つ大分限者となりました」と書かれています。
この本の巻末の参考資料のリストには、「讃岐佐柳志々島昔話集」と「讃岐の民話」(未来社)が載せられています。
どちらの本も著者は武田明氏です。
なんとなく、この民話を書いた瀬川拓男は、志々島に伝わる「北風長者」と屋久島の「蛸八長者」を掛け合わせて創作したような気がしてならないのですが?
Perenna  投稿日時 2020/3/19 20:25
「蛸八長者」の昔話は「屋久島の民話・第二集」(未来社、下野敏見編)にも収録されています。
ただし内容は、まったく別の話になっています。
「あるところに蛸八という若者が母親と二人で住んでいた。
蛸八は毎日タコをとって、それを売って暮らしていた。
ある晩、蛸八は夢のなかで、白い口ひげのおじいさんのお告げを聞いた。
大阪の鴻之池という人に三人の娘がいるから、大阪に行ってその一人を嫁にもらってこいと言われる。
蛸八は母親から「なば」(きのこ)をもらって大阪に行き、ある店でなばを担保に十両のお金を借りる。
借りたお金で立派な着物を買い、宿屋の亭主の紹介で鴻之池の主人と親しくなる。
三番目の娘といっしょになり、鴻之池の屋敷で六カ月を過ごすが、母親のことが心配になり、お金をたくさんもらって屋久島にもどる。
しばらく母親と楽に暮らしていたが、悪い青年にそそのかされてバクチに手を出し、お金をすべて巻き上げられてしまう。
しかたがないので、蛸八はまたタコをとって暮らすようになる。
一方、鴻之池の嫁は、夫の蛸八がいつまでたっても戻ってこないので、船に品物をたくさん積んで屋久島にやって来る。
嫁はタコを売り歩いている蛸八を見つけ、母子の住む岩屋に行く。
嫁がその岩屋を見たところ、実は金(きん)でできていることがわかる。
こうして金の値打ちのわからない蛸八は、お嫁さんのおかげで村一番の長者となり、何不自由なく暮らすことができましたとさ。」

この昔話の話者は「地蔵さんのことば」と同じ岩川イワさんという方です。
この岩川さんというお婆さんの語る昔話は、いろんな昔話をごちゃまぜに覚えていたり、あちこち改変しているものが多いようですね(笑)
Perenna  投稿日時 2019/7/20 21:03
この昔話も「讃岐の民話」(武田明、未来社)によれば、香川県三豊市志々島に伝わる話らしいです。
「北風長者」という題名で収録されています。
「北風」というのは、タコなわ捕りの男が口からでまかせに言った名前だそうです。
鴻池の番頭さんがタコなわ捕りの家を下見に行ったさい、地元の人から「北風というのはこの町(兵庫)のはずれの北の風が吹きあてる漁村村ののことに違いない」と教えるくだりがあります。
今でも兵庫にはこの長者に関係する地名が残っていたりするのでしょうか?
朝鮮人参  投稿日時 2018/4/28 14:32
タコ縄取りの親父ある意味凄い
ゲスト  投稿日時 2015/10/5 16:37
蛸壺千個→千坪
胡麻の柱→五万の柱

と勘違いしましたとさ(+o+)

金持ちのお嬢なのに、清い心の娘さん(中々いません!)
幸せになって良かった♪
匿名希望  投稿日時 2014/12/1 14:14
タコなわ捕りの息子が、長者の娘と結婚してハッピーエンドになって良かったね!
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