果報者と阿呆者 についてのコメント&レビュー投稿
昔あるところに、貧しいが仲の良い夫婦が住んでいました。旦那は山で木を切り、女房は家で機を織って暮らしていました。 ある晩、旅のお坊さんがやってきて一晩泊まっていきました...…全文を見る

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投稿者:araya 投稿日時 2011/12/3 2:35
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『周防・長門の民話』(松岡利夫,未来社)によると「長門の国の北浦の里」とあり「大寧寺の和尚さとこへ行って相談」ともありますので、これは山口県長門市深川湯本1074にある大寧寺のことかと。
話中では坊さんが訪問して果報について説法する形を取っていますから、大寧寺そのものは登場しませんが、長門の国の北浦の里として大寧寺の周辺地域をマッピング候補地としてあげたいと思います。

http://g.co/maps/g5qm6
投票数:39 平均点:10.00

投稿者:マルコ 投稿日時 2014/2/19 11:51
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月夜の果報者 と果報者と阿呆者ってリメイク作品なんですかね?三善和彦さんのサイトに同じような話と解説が載っていましたよ。

http://mujina.agz.jp/kahou.html

演出・原動画・セルワーク・美術(背景):
三善和彦
文芸:沖島勲

平成4年7月4日放映

  昔、あるところに作太とおかじという夫婦が住んでいた。亭主の作太は根っからの怠け者で、二人の暮らしは一向に楽にならなかった。そんなある日、女房のおかじが寺の和尚から「果報は寝て待て」という言葉を聞きかじってくる。それを聞いた作太は、明くる日から一日中何もせずに寝て過ごすようになった。始めのうちはあまり気にせず一人で渋々働いていたおかじも、一年経ち、二年経つうちに、段々腹が立ってきて、和尚のところへ文句を言いに行った。ところが和尚はニコニコと「果報が来るよう仏さんに頼んでやろう」と言うばかり。とうとうアホらしくなっておかじも働くのを止めてしまった。それから一年程経ったある夜のこと、壊れかけた天井窓から覗いた月を見て、作太が飛び起きた。なんと月で兎が餅をついているのが見えるではないか。おかじをたたき起こして調べたが、作太の家の天井窓から見なければ、決して兎の餅つきは見えなかった。噂はあっという間に村中に知れ渡り、やがて「作太の家の天井窓から月の兎の餅つきを見た者は果報者になる」などと話が変わっていくに従って、大勢の人間が作太の家にやってきては、お礼の金をおいていくようになった。こうして大金持ちになった作太とおかじは、もっと大勢に見せられるようにと沢山の天井窓を付けた大きな家に建て替えた。ところが、どういう訳かそこからは二度と兎の餅つきを拝むことができなかった。屋敷は見る間に荒れていき、困った二人は和尚を訪ねた。和尚は相変わらずニコニコと、二人に「人間欲をかくと果報者が阿呆者になる。」と諭すのだった。

 原題「果報は寝て待て」という垣内稔さん(未来社刊)の原作では、作太に仕事を止めて寝ているように勧めるのはおかじです。また、最初から夫婦揃って働くのを止めてしまうことになっています。しかしそれで何年も過ごせるというのは、最初から貧乏な作太夫婦にとって少々非現実的な感じがします。それにおかじの人の良さを表現するには、寝ている作太の横で一人で働いていた方がいいように思いました。おかじまで寝てしまってからは、せいぜい一年が限界でしょう。また原作ではおかじに怒鳴り込まれた寺の和尚さんが「すっかり参って」しまうのですが、ここはあくまでも泰然自若とした和尚さんにしました。それでこそ最後の台詞が効いてくると思うのです。因みに常田さんがこの台詞を実にゆったりと話して下さり、更にその後に「フッ」というような何とも言えない声があって和尚さんが微笑むので、ただの駄洒落のような台詞が、暖かな余韻を含んだ実にユーモラスなシーンになりました。

 この作品も演出、作画、背景から彩色まで、殆ど自分一人でやった作品です。キャラクターは和紙のちぎり絵で、極部分的に表情や指先などだけセル絵の具で描いてあります。一人二人なら楽なのですが、大勢の村人が作太の家に押し掛けるシーンは大変でした。背景もむら染めの和紙に刷毛でタッチを付け、粕を漉き込んだ和紙と組み合わせて作った貼り絵です。兎の餅つきの部分は鉛筆で描いた動画ですが、そのままだとコントラストが強すぎるので、セルに付いている薄紙をのせて撮影し、少しぼけた感じを出しています。(色々な素材を試してみたのですが、結局一番身近な物が一番良かったという、よくあるパターンの結果でした。)
投票数:37 平均点:10.00

投稿者:Perenna 投稿日時 2018/12/25 22:38
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この昔話と似たような話はトルコにもあります。
「たから舟:世界童話集」(大正9年)には「果報は寝て待て」という題名で、次のようなお話が収録されています。(コマ番号30/202)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/962979/30

あるところに貧乏な樵夫(きこり)の夫婦がいた。
ある日、樵夫はいくら働いても裕福になれないので働くのが嫌になり、床(とこ)から起き上がらず寝て暮らすようになってしまった。
そこへ隣村の若い男が、樵夫の家で飼われている驢馬(ろば)を借りに来る。
この若い男は、野原に土耳古(トルコ)の王様の宝が埋まっているのを知っていた。
男は驢馬の背に宝の袋をくくりつけて、そのまま雲隠れしようとする。
しかし兵士に見つかってしまい、男は驢馬を残して森に逃走する。
宝の袋を背負った驢馬は、そのまま樵夫の家に戻ってくる。
樵夫は、宝を見て驚いている妻に「それみろ。やはり果報は寝て待つものなのだ」と得意がったという。

外国の昔話では、働かずにぶらぶらして最後に幸運を得たのを「果報は寝て待て」というらしいです。
日本では「働かざる者、食うべからず」という戒めがあるので、「果報は寝て待て」の意味もおのずから違ってくるのかもしれませんね。
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