この昔話の元ネタになったのは、昭和9年に出版された「郷土小坂(物語)」(秋田県鹿角郡小坂尋常高等小学校)に収録されている「十和田湖の伝説・黒神と赤神の争ひ 蝦夷島の分離」らしいです。(コマ番号12/59)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1027192/12男鹿半島の赤神と竜飛崎の黒神が十和田湖に目をつけて、十和田湖の神様に譲渡を迫ったという話です。
十和田湖の神様は、湖をどちらにも渡さなかったので、赤神と黒神の戦争となったと書かれています。
角川書店の「神々の物語・日本の民話3」には、「陸奥(みちのく)の十和田湖に、美しい女神がいた。」という書き出しで始まっています。
でも、もともとは十和田湖の神様は性別不詳の神で、黒神も赤神も女神を奪って争ったわけではなかったらしいです。
現在流布されている「赤神と黒神と十和田湖の女神」の物語は、松谷みよ子や瀬川拓男らの創作なのではないでしょうか?