「松谷みよ子のむかしむかし・5」(日本の神話2)の解説によると、この昔話は「大正年間採集された高木敏雄氏の資料」と「秋田の民話編集の際、瀬川拓男による採集」の話が元になっているそうです。
高木敏雄氏の資料とは、大正2年に出版された「日本伝説集」らしいです。(コマ番号82/161)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/945424/82?tocOpened=1「妻争伝説第十回
(イ)龍尾男鹿の神軍
昔、陸奥国の龍尾崎に、黒神と云ふ神が住み、羽後国の男鹿半島には、赤神と云ふ神が住み、陸奥国と陸中国との境なる十和田湖には、美しい一人の女神が住んでゐた。」と書かれています。
また、この伝説の話者(報告者)は、「陸奥国南津軽郡大鰐高橋桂城君」と書かれています。
大鰐町は十和田湖の西のほうにあります。
どうやらこの昔話は十和田湖周辺に偏在していて、秋田県&青森県に共通のものらしいですね。