No.0082
あかがみとくろがみ
赤神と黒神
高ヒット
放送回:0050-A  放送日:1976年09月18日(昭和51年09月18日)
演出:杉田実  文芸:杉田実  美術:馬郡美保子  作画:馬郡美保子
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あらすじ

十和田湖にそれはそれは美しい女神がいました。女神は毎日の様に琴を奏で美しい声で歌を歌っていました。その声が男鹿に住む「赤神」の耳に入ってきました。「赤神」は痩身で横笛を吹く美青年でした。いつしか「赤神」と女神は仲良くなり「赤神」が吹く笛の音に合わせ、女神が歌い踊るという楽しい毎日を過ごしていました。

ところが、その歌声が今度は津軽?に住む「黒神」の耳に入ってきました。「黒神」は勇猛果敢な神で、いつも龍を従えて鋭い刀を持っていました。その「黒神」も女神を一目見るなり大好きになり「黒神」は得意の狩りで採った鯨や動物をお土産に持って女神を訪ねる様になります。女神も勇猛な「黒神」に次第に惹かれていきます。

しかし女神は悩みました。優しい「赤神」も好きだが勇猛な「黒神」も好き。女神はどうすれば良いのか分かりませんでした。その様子を見て、二人の神は決闘をする事になりました。「赤神」は鹿の大群を従え「黒神」は龍を従え、互いに力の限り闘います。しかし力の差は歴然。「赤神」は「黒神」の剣に傷つけられ、血を流し地面を赤く染めながら故郷の男鹿に逃げ帰りました。「黒神」は喜びました。「これで女神は俺のものだ」と。

しかし女神は傷付いた「赤神」を心配し、男鹿の赤神の処へ行ってしまいます。意外な展開にさすがの「黒神」もどうする事も出来ません。十和田湖を背に山の頂に座り、深い深い溜息をつき続けます。その溜息が物凄かったので、とうとう本州と蝦夷地は地面が避け、今の津軽海峡が出来たというお話です。

(投稿者: しんちゃん 投稿日時 2011-10-15 1:51 )


ナレーション常田富士男
出典(表記なし)
場所について十和田湖(青森)の女神
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地図:十和田湖(青森)の女神
追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第19巻-第094話(発刊日:1977年9月20日)/講談社テレビ名作えほん第030巻(発刊日:1978年6月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説によると「秋田県の昔ばなし」
講談社の300より書籍によると「東北地方のお話」
このお話の評価8.2857 8.29 (投票数 7) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/10/15 3:16 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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Perenna  投稿日時 2021/3/2 0:17
「松谷みよ子のむかしむかし・5」(日本の神話2)の解説によると、この昔話は「大正年間採集された高木敏雄氏の資料」と「秋田の民話編集の際、瀬川拓男による採集」の話が元になっているそうです。
高木敏雄氏の資料とは、大正2年に出版された「日本伝説集」らしいです。(コマ番号82/161)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/945424/82?tocOpened=1

「妻争伝説第十回
(イ)龍尾男鹿の神軍
昔、陸奥国の龍尾崎に、黒神と云ふ神が住み、羽後国の男鹿半島には、赤神と云ふ神が住み、陸奥国と陸中国との境なる十和田湖には、美しい一人の女神が住んでゐた。」と書かれています。
また、この伝説の話者(報告者)は、「陸奥国南津軽郡大鰐高橋桂城君」と書かれています。
大鰐町は十和田湖の西のほうにあります。
どうやらこの昔話は十和田湖周辺に偏在していて、秋田県&青森県に共通のものらしいですね。
Perenna  投稿日時 2020/12/9 2:15
この昔話の元ネタになったのは、昭和9年に出版された「郷土小坂(物語)」(秋田県鹿角郡小坂尋常高等小学校)に収録されている「十和田湖の伝説・黒神と赤神の争ひ 蝦夷島の分離」らしいです。(コマ番号12/59)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1027192/12

男鹿半島の赤神と竜飛崎の黒神が十和田湖に目をつけて、十和田湖の神様に譲渡を迫ったという話です。
十和田湖の神様は、湖をどちらにも渡さなかったので、赤神と黒神の戦争となったと書かれています。
角川書店の「神々の物語・日本の民話3」には、「陸奥(みちのく)の十和田湖に、美しい女神がいた。」という書き出しで始まっています。
でも、もともとは十和田湖の神様は性別不詳の神で、黒神も赤神も女神を奪って争ったわけではなかったらしいです。
現在流布されている「赤神と黒神と十和田湖の女神」の物語は、松谷みよ子や瀬川拓男らの創作なのではないでしょうか?
ゲスト  投稿日時 2020/12/6 23:36
子供の頃読んだ絵本では、黒神は粗暴で髭もじゃの小汚い感じに、赤神は優男のイケメンに描いてあり、『結局顔かよ…』と幼いながら切なさを感じたのを覚えている。
アキ  投稿日時 2019/7/25 18:15
それね、分かります!(⌒▽⌒)
ゲスト  投稿日時 2019/7/3 13:43
お姫さんのぜいたくな話(笑)
黒神かわいそうだな~。まあ、女の心は勝ち負けとかそういうので決まらないのよ。女にもいろいろなタイプがいるから、黒神と結婚してくれる女神もきっといる。大丈夫大丈夫。
ouranomos  投稿日時 2019/1/25 17:34
当時6歳で見ました。とても綺麗な絵が印象に残っています。数年間、まんが日本昔話を見続けていましたが、もっとも記憶に残った物語です。
この『赤神と黒神』を視聴して、力を競い合い、力で打ち負かすだけでは人の心を動かすことはできないということを知ったのです。今もって、とても意義深い昔話だと思います。馬郡美保子さんという方が作画されたことを知りました。ありがとうございます。
通りすがり   投稿日時 2017/2/16 15:51
「ふるさとの伝説 北日本編」 (あかね書房? )

にあったなぁ

懐かしい 
あかな  投稿日時 2016/8/1 6:42
優しい「赤神」も好きだが勇猛な「黒神」も好き。女神はどうすれば良いのか分かりませんでした

この文を読んでるとき、
カフェオレが飲みたいの~
強いコーヒーも良いけど、
優しいミルクも素敵なの

とCMソングが頭に流れました(笑)
ゲスト  投稿日時 2013/10/31 19:28
秋田の三湖伝説(まんが日本昔ばなしにもある「八郎潟の八郎」)と似た内容ですね。
人から龍となった十和田湖の八郎太郎と、お告げによってやって来た南祖坊というお坊さんが争い、南祖坊が勝って土地を得る。
八郎は男鹿に八郎潟をつくり、同じく人から龍となった田沢湖の辰子姫と恋仲になり行き来して仲良く暮らした、という内容です。
どちらもドラマ性が強く、もっと映像作品になっていても良い物語ですね。
マニアック  投稿日時 2011/10/20 20:44
テレビ放映時では、語りが中心で、台詞は一切なし。唯一は女神のハミングのみ。
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