=井手神社 について=
狼神話 菰野町・山神碑群(やまがみひぐん)
三重県の鈴鹿山脈の麓に広がる田園、菰野町では村々の集落ごとに碑を建て、山の神を祀っていました。その昔には、十戸から二十戸位を単位とする山の神請が結ばれ、年番で山の神の宿が決められました。12月7日の山の神の日は、山の神の宿の家に村中全部が集まって餅をつき、年番は鏡餅五つと神酒一升を下げて山神の森へ走り村を代表してお礼を申し述べます。
山の神まつりがすぎると「萱山の口があいた」といい、山へ入りました。この山の萱は、ススキのことをいうのであり、一部に笹萱も生えていました。萱刈りの頃は12月の初め、一番日の短いときで、鎌とおいねに、竹の杖を持って瀬戸川に沿い萱場へのぼります。西菰野の刈場は水呑みの上の青木平で、山では1番高いところです。
江戸時代の文人、司馬江漢はこの菰野に逗留していたおり、江戸屋という旅人宿の主人が菰野からの帰り道、狼3匹に襲われて大太刀回りをした話を書き留めています。菰野の裏山にあたる鈴鹿の山々は、こうした狼や熊などの危険と隣り合わせの場所でした。菰野の山の神祭は、鈴鹿の山に分け入って山仕事をする人々の安全を祈願するためだったのでしょう。
集落ごとにあった山神碑は、現在では井手神社の境内や、音羽公園など数ケ所に集められ、山の神祭も絶えてしまいました。残念なことに地元のお年寄りでも、山の神祭を知っているのは稀になっています。
祭神 山の神
御利益 安全祈願など
祭礼 現在なし
名物 湯の山温泉
所在地 三重県三重郡菰野町音羽地区音羽公園内及び永井地区井手神社境内
アクセス 近鉄湯の山線「菰野駅」下車、車で約10分
http://www.raifuku.net/special/wolf/map/area/kinki/shrine/k-yamagami/k-yamagami.html狼神話 hp