長野県下伊那郡大鹿村大河原に伝わる昔話をインターネットで調べてみました。
大正6年に出版された「日本伝説叢書・信濃の巻」には、「釜澤の詩」というものがあります。(コマ番号259/272)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/953569南北朝時代に大河原城を拠点として東国経営を押し進めようとしていた、宗良親王・尹良親王父子のことが書かれています。
また、信州大河原の豪族の香坂氏で有名な人物といえば、この親王父子を庇護して南朝方に忠勤を尽くして足利方と戦った香坂高宗という武士がいます。
大正5年に出版された「贈位功臣言行録」という本の香坂高宗の人物伝には、次のようなことが書かれていました。(コマ番号70/264)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/955104/70「応永三十一年、尹良親王は南朝のために義兵をあげしが、事遂に成らず、其子良王を二心なき武士に託し、信濃大河内にて自殺したまひぬるよし、信濃宮伝に見ゆ。」
尹良親王の嫡子の良王が、この昔話のモデルになっているのではないでしょうか?