この昔話は、昭和3年に出版された「石川県鹿島郡誌」に、以下のように書かれていました。(コマ番号1002/1795)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1232332/960?tocOpened=1「榎の釣瓶
昔徳前(越路)重右エ門の屋後に榎の老樹ありて樹枝十間餘に建び昼もあたりお暗きまでに茂れるが夜間樹上より釣瓶下り中には暖き牡丹餅の入れあるに若者共樹下に集り之を食するに委せしが連夜乞ふて止まざるに至り樹上声あり「たんべたんべにおかいもちあらうか茄子漬喰てお茶上れ」と。釣瓶の下りし話は各地に傳はりて、かい餅といひ饅頭といひ釣瓶の中に恐ろしきものありて前夜の勘定を催促せしなどいひ傳ふ。」
「徳前(越路)」というのは、現在の石川県鹿島郡中能登町(旧・越路町)徳前らしいです。
この昔話はリアルタイムで見たことがあります。
大きな釣瓶が落ちてくるシーンを見て、両親が「まるでドリフの盥(たらい)が落ちてくるコントとそっくりだね!」と言って、一家で大笑いした記憶があります。
そういえば、真ん中に座っている面長の眠そうな顔をした男は、なんとなく志村けんに似ているような気がしますね(笑)。