昔、能登のある村に、ぐうたらでどうしようもない3人の若者がいた。ある時、大きな木の下に集まって「ぼたもち食いてーなー」とぼやいていたら、木の上から釣瓶が落ちてきた。
中にはぼたもちがいっぱい入っていて、3人はたらふくぼたもちを食べた。
これに味を占めた若者たちは、次の日も木の下へ来て「ぼたもち食いてーなー」とぼやいたらまた釣瓶が落ちてきて、ぼたもちをたらふく食えた。
そして3日目、毎夜木の下へ来るのも面倒になった3人は「一度に大量にぼたもち食いてーなー」とぼやいた。すると釣瓶が落ちてきて、若者はつぶされてしまった。
そして「度々ぼたもちが当たるか!たまには汗水流して働いてナス漬け食ってお茶あがれ!」と木に怒鳴られ、大きな釣瓶が壊れたかと思うと大量のナス漬けに埋まってしまった。
翌朝、村の衆がナス漬けの山をかき分けてみると、息も絶え絶えになった3人の若者が出て来た。冷水をぶっかけて起こしてみると水をぶっかけた釣瓶を妙に怖がっている。
そこで訳を聞いてみると夕べのことを話した。村びとはそりゃあ怠けてばかりいたお前らを釣瓶が戒めたんだろうと言った。 それ以来、この村では怠けていると釣瓶に戒められると言うようになった。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 清酒時男(未来社刊)より |
出典詳細 | 加賀・能登の民話 第一集(日本の民話21),清酒時男,未来社,1959年08月31日,原題「釣瓶の戒め」,鹿島郡誌より |
場所について | 石川県鹿島郡中能登町徳前(地図は適当) |
このお話の評価 | 6.33 (投票数 3) ⇒投票する |
⇒ 全スレッド一覧