絵本では「鳥取地方のお話」となっていますが、隣の島根県でも似たような昔話があります。
昭和2年に出版された「島根県口碑伝説集」という本には、「六日の菖蒲」という題名で収録されています。(コマ番号55/199)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1465126/40?tocOpened=1島根県八束郡意東村字下意東(現在の島根県松江市東出雲町下意東)に伝わる昔話です。
女房の絵姿が飛んでいった先は「内裏」と書かれているので、京都の天皇の目にとまって召し出されたらしいです。
亭主が売っていたのはモモではなくショウブ(菖蒲)で、最後は女房と手に手を取り合って内裏から逃げ出し、とうとう女房は逃亡途中で絶命するという悲しい話になっています。
身分転換というバージョンが加わるようになったのは、おそらく下克上がまかりとおっていた戦国時代以後の話なのではないでしょうか?