愛本のウラジロガシ林 : 県・天然記念物 昭和四二年九月二六日指定
黒部市宇奈月町愛本橋爪西(西宮林)
日本アルプス鷲羽岳を源流とする黒部川は、愛本橋付近で堅い岩の層を断ち切って奔流し、これより平野に扇状地をつくって日本海に注いでいる。愛本橋は黒部川扇状地の扇頂にある。
愛本橋の左岸上流側の断崖にウラジロガシ林がある。断崖を覆うように、ウラジロガシの大木九本が繁茂している様は壮観である。
ウラジロガシは、葉の裏が著しく粉白色を帯びる暖地性の常緑樹である。ブナ科の植物でどんぐりを着け、樹高は約二〇㍍にもなる。富山県内のウラジロガシ林は、平地から神通峡、片貝谷、宇奈月温泉対岸の遊歩道周辺地などの峡谷内部まで、およそ標高五〇〇㍍の範囲に広く生育している。
愛本のウラジロガシ林は、峡谷に面して風が強く、かつ岸壁の割れ目に根を張って大木に生長していることで、学術上貴重である。
●富山地方鉄道「愛本駅」下車、徒歩一〇分
http://www.city.kurobe.toyama.jp/guide/svGuideDtl.aspx?prev=1&servno=3320