しば栗 類似話

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昔、三河のある村で、ボロボロの衣をきたお坊さんが家々を回っていました。この辺りは街道に近くて、毎日沢山のお坊さんがやってくるので、村人たちも毎回は食べ物を恵んであげる事...…全文を見る

しば栗 類似話

投稿者:ゲスト 投稿日時 2015/7/3 18:04
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弘法栗(山梨県北杜市)
むかしむかし、八ヶ岳(やつがたけ)の麓の村に大きな栗の木がありました。村の子供たちが栗の木の下に集まって栗拾いをしていたところ、日本中を旅していた弘法大師さまが通りかかりました。
歩き疲れた弘法大師さまは、ちょいと一休みして腰掛け、和気あいあいと栗を拾う子供たちを眺めています。
子供たちは小さな掌にふたつ、みっつ、よっつと栗の実を握りしめては、まだまだ拾いたいと意気込んでいました。
しかし、小さな子供ですから高い栗の木によじ登ることはできません。
「木登りができたら、たくさん栗を採れるのに」
そう呟いていたところを、弘法大師さまが声を掛けました。
「これ、子供たちや。その美味しそうな栗を少し分けてはくれないかい。歩き続けて腹が減ってしもうてな」
子供たちは粗末な服装の坊さんを見て、いかにもひもじそうだったので、拾ったいくばくかの栗の実を分けてあげました。
「ああ、おいしい。おいしい。お前たちは優しいね」
そうにこやかに言いながら、栗を食べる弘法大師さま。
子供たちも良いことをしたと、満足そうです。
栗の実を食べ終わった弘法大師さまは、子供たちの方に向き直り、
「こんな大きな木だと、栗の実を採るのにも苦労するじゃろうに」
そう言って立ち上がり、持っていた杖で栗の木の幹をコンコンと軽く叩きました。
するとどうでしょう。
首が痛くなるほど見上げてもまだ足りないくらい高かった大きな大きな栗の木が、しゅるるるるとしぼんで、子供の背丈くらいの高さに縮んだのです。
「これでよい」
弘法大師さまは満足そうな顔で去っていきました。
その後も栗の木は大きくなることがなく、けれどもびっくりするくらいのたくさん実を毎年つけるようになりました。
この栗の木を村の人たちは「弘法栗」と呼んで、大切にしたそうな。

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