76年版・金太郎は・・(その2)
投稿者:Kotono Rena 投稿日時 2014/11/26 19:53
前回の続きです。
金太郎の父親が酒田義家の場合について
書きたいと思います。
『南足柄市のむかしばなし』より一部抜粋
むかし、地蔵堂に四万長者といわれたお金持ちの家があった。
その家の一人娘が大変な美人で、そのうえ男にも負けないしっかり者だった。
そのころ、現在の開成町に酒田氏という大変勢力の強い武士が住んでいて
この酒田氏にみこまれた娘はそこへ嫁ぐことになった。
だがその後、訳あって娘は実家に帰ることになってしまった。
娘のお腹には酒田氏との子供を妊娠しており
のちに実家で男の子を出産。
その男の子こそ金太郎であり、
のちに源頼光の家来として召し抱えられることになる。
金太郎の母親が長者の娘なら
なぜ実家で金太郎と共に暮らそうとしなかったのでしょう。
考えられることは彼女には男兄弟がいて
男兄弟も結婚し子供がいたこと。
母親の離婚の原因が嫁ぎ先で起きた内紛であり
酒田氏は母親とお腹の中の金太郎を
守るべく実家に帰したが
母親の複雑な事情による離婚を色眼鏡で見たり、
陰口を叩く住民がいたこと。
家族に対する遠慮、世間の目を感じた母親は
金太郎を出産したあと
人がほとんど住んでいない山奥へ逃げるように行き
そこで生活することを決めたのでしょう。
アニメに出てくる家は彼女の両親が建てたものであり
家が建っている土地は彼女の家の領地の一部なのでしょうし、
家族と別居しても実家から何らかの支援を受けていたと思います。
金太郎を出産するまでの間、母親は屋敷で働く使用人たちから
家事全般を教わっていたことでしょう。
母親は乳飲み子の金太郎を家に置き去りにしてます。
彼女が実家に暮らしていたころ乳母に育てられたこと
妊娠初期段階での離婚ということもあり
妊娠を知るのは両親だけということもあり
命を狙われる心配もないし、母乳さえ与えれば
子供は大きくなるという感覚で金太郎を育てていたのでしょう。
金太郎が源頼光の家来になってからの
母親のその後はわかりませんが
金太郎が家来として大活躍すれば母親の暮らし向きも
大きく変わっただろうし
金太郎は母親を京に呼び寄せて幸せに暮らしたと思います。