馬比べの狩野法眼にまつわる昔ばなし

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馬比べの狩野法眼にまつわる昔ばなし

投稿者:マルコ 投稿日時 2014/3/5 13:53
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狩野法眼にまつわるこんな昔ばなしもあるそうです。

http://ameblo.jp/fflapper/entry-10830206657.html

より。

夜、稲穂をはむ怪物。 ~ 絵師 狩野法眼元信 ― 神波多神社 山辺郡山添村 民話 「波多野村史」

むかし、ある夏のことでした。諸国行脚するみすぼらしい旅絵師が村におとずれました。一夜の宿をもとめ、神波多神社の神宮寺に宿泊を許されたのでした。

10日ほど逗留したときです。絵師はお礼に絵を奉納しようと考えました。さて、何を描こうと境内をあるきまわったり、考え込んだりします。やがて、人々が寝静まった丑三つの頃。神殿の裏でじっと考え込んでいる絵師に月の光が差し込みます。輝く白壁に、力をこめて筆をはしらせました。そしてたくましい一頭の牛を描きあげたのでした。

翌日、絵師はふらっと寺を後にしました。

季節は秋になり、黄金色の稲穂が村一面にひろがります。刈り取りが無事済み、稲架にかけられました。ところが、一晩たった朝、無残にも稲穂が食い荒らされているではありませんか。それが翌日も、翌々日にもつづきました。これはたまったものではない。村人たちは動物の捕まえようと、夜、番をすることにしました。
田を巡回し、あやしいものの姿がないかあたりを見回します。すると、もしゃ、もしゃと穂を食む音が聞こえてきました。月が雲にかくれた暗闇で、なにやら大きな影が穂架のそばに見えます。すっかり肝をひやした村人は、気をとりなおし、「こ、こら!稲をあらす奴は、だれだぁ!」と、声をあげて、影にむかってはやしたてました。影は、のっそりと動き出し、やがて駆け出しました。「ま、待てぇぇ!」村人たちは懸命に、影を追いかけます。追っていくと、神社の境内へと逃げ込みました。神殿の裏で影はジッと立ち止ります。村人は松明をともし、影にかざします。影の正体は、大きな立派な牛でありませんか。月が雲からのぞきます。牛は、月の光を浴びながら、すぅっと・・・白壁へと吸い込まれていきました。すっかり仰天した村人。

なんということでしょう。夜な夜な稲穂を食い荒らしていたのは、あの絵師が描いた牛だったのです。翌朝、村人たちは、絵師を探しました。伊賀上野城下にいると聞きつけ、連れてきました。絵師は、ことの顛末を聞くと、牛の絵に松の木を描き足しました。牛に綱をつけ、その松に結わえたのでした。それからというものの牛が、夜な夜な悪さをすることはなくなったとのことでした。

牛を描いた絵師は、有名な「狩野法眼元信(かのうほうげんもとのぶ)」と伝えられています。
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