昔、山深いところに吾助という獣とりの名人が、かみさんと二人で住んでいた。罠にかかった獲物を町で売って、生活の足しにしていた。
ある冬の日のこと、吾助の罠に大きな女狐がかかっていた。この狐を売れば、かみさんにあったかい角巻き(肩掛け)を買ってあげられると喜んだが、この女狐には二匹の子狐がいる事に気が付いた。みなしごだった吾助は、幼少期に寂しい思いをしていたことを思い出し、子狐が可哀そうになり母狐を逃がしてやった。そして、吾助はこれを機会に獣とりの仕事をやめた。
春になった頃、吾助夫婦の家に一人の若者が訪れ、「母からの使いです」と、数本の柿の苗を差し出した。吾助がその柿の苗を植えてみると、次の年から沢山の甘い実をつけた。この柿の実は評判となり、町からも買いに来るようになり、吾助夫婦は大金持ちになった。
(紅子 2011-10-2 0:26)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 岩手県 |
DVD情報 | DVD-BOX第11集(DVD第53巻) |
本の情報 | 講談社テレビ名作えほん第072巻(発刊日:1987年3月) |
講談社の300より | 書籍によると「岩手県のお話」 |
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